*****2023.4.6(木)*****
今日は、モスタルから日帰りでポチテリとメジュゴリェという街に行ってみます。
まずは、ポチテリから。
宿の人に行き方を聞いてみたのですが……2023年4月現在、モスタルからポチテリへ直で行く公共バスは無いとのこと。
なので、モスタルからポチテリまで個人でアクセスする場合は、まず列車でチャプリナ(Čapljina)という街まで行き、そこから4kmほどの道のりを徒歩かタクシーで移動という方法になります。
朝9時前、モスタル駅へ。
列車の時刻表は、ボスニアの鉄道会社のウェブサイトで事前に調べていきました。
ちなみに、モスタル−チャプリナ間は1日2便しかありません。
ここが本当に駅か? と疑うような、薄暗いチケット売り場。
しかも、人がいない。
チャプリナまでは、6KM(=約450円)。
チケットは、ペラッペラのレトロな紙切れ。
プラットホームは、けっこう立派。でも、電光掲示板もプラットホーム番号も何も無い。
どのプラットホームで待てば良いかは、その辺にいた兄ちゃんに聞いたよ。まぁ、そもそも電車の本数が少ないから、来た列車に飛び乗れば間違いは無いんだろうけど。
9:12発の列車は、15分遅れでやってきた。
サラエボからやってきた列車なんだろうね。観光客がぞろぞろと降りてきた。
列車に乗ってみて、びっくり。中はなんと、新幹線車両だった。
ん? よく見てみると、Renfeの文字が……
Renfeは、スペインの鉄道。なるほど、スペインから鉄道の古い車両を譲り受けたってわけか。
ボスニアに走っているバスに、ドイツ語が書かれていたのも見たしなぁ。交通インフラは、先進国のお下がりを使っているんだろうね。
9:50頃にチャプリナ到着。
30分も乗っていないのに、ずいぶんと快適な列車移動だった。
ここからは、ポチテリまで徒歩で移動します。
直線距離で4km、実際に歩くと片道5kmくらいの距離。
チャプリナの街は、想像していたよりもずっと栄えていた。大通り沿いには、カフェが多い。
建物には、クロアチアの旗。
後で調べてみたけど、チャプリナの人口構成は、8割がクロアチア人みたい。
チャプリナの街を抜けて、ネレトヴァ川を渡っていく。
橋を渡ったら、左に曲がって……
あとは、大通りを道なりにひたすら歩くだけ。
道の分岐はなく、看板も立っているので、道に迷うことはない。
でも、歩道がなかったから、歩くのちょっと怖かったな。
ポチテリの街が見えてきた!
ようやく到着! ちょうど1時間ほどで着いた。
観光客が多く、賑わっている。でも、みんなツアー客。
そうだよね。1日に2本しかない列車に乗り、片道5kmも歩く人なんて、私以外にいないよね。
とりあえず、あの山の上の城を目指して登ってみます。
ポチテリは、オスマン朝が支配していた16〜18世紀にかけて発展した要塞都市。オスマン建築が立ち並んでいた集落は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1993年にクロアチア人の武装勢力によって破壊された。イスラム教徒のボシュニャク人が集落を追われ民族浄化の標的となった暗い歴史もあるが、現在はオスマン建築の多くが復興し、多くの観光客が訪れるスポットとなっている。
(参考文献:Wikipedia)
石畳の小道が、素朴で良い。
ポチテリの街で、最も存在感のあるモスク。
ボスニアに来てから、「なんでモスクにパキスタンの国旗みたいな旗が掲げられているんだろう」って疑問に思ってたけど……たぶん、イスラム教のシンボルなんだろうね。
イスラム教を象徴する緑色と、三日月と星のマーク。
トルコの国旗が三日月と星なのは、イスラム教を示してたんだね。恥ずかしながら、今まで知らなかったよ……
でも、待てよ? イスラム教国のモロッコでは、この旗を見なかったよな?
というわけで調べてみたけど、どうやら三日月と星のマークはオスマントルコに由来するらしく、イスラム起源ではないという説もあるらしい。
なるほどね。どおりで、モロッコでこの旗を見なかったわけだ。
じゃあ、パキスタンは? オスマントルコ、さすがにパキスタンまでは支配していないよな?
と思って調べたけど、よく分からんかった。時間があれば、もう少し詳しく調べてみます。
石造りの家並みが、とても良い味を出している。
ポチテリだけでなく、今後もバルカン半島で数多くのオスマントルコの建築を目にすることになるんだけど。
オスマン建築で最も特徴的なのは、屋根だと思う。平べったい石を並べた、鱗みたいな模様の屋根。こうした屋根を見るのは初めてだったから、とても新鮮。
家の入り口の門構え、日本家屋と似てないか?
というか、住宅の敷地を囲うように石塀があって、立派な門が備わっているのって、西欧の住宅建築ではあまり見なかったよね。
丘の上から見る景色が、最高だった。川が蛇行しているのが、とても良い。
この村、ロードオブザリングの冒頭に出てくるホビットの村と、どこか雰囲気が似てるんだよな。
せっかくなので、あの城まで行ってみる。
中に入ってみたけど……
めっちゃ廃墟。
この石段から塔の中にも入れそうだったけど、さすがにやめておいた。
柵も手すりも何もないし、足場も崩れそうで怖かったから。こんなところで怪我したくないしね。
ゆるーいトラベラーなので、危険は未然に回避。
ポチテリ、景色が最高! 来てよかった!
さて、ここからが問題で……
次はメジュゴリェに向かいたいんだけど、公共交通機関が無いっていう。
ポチテリとメジュゴリェは、直線距離で約9kmしか離れていない。でも、この2つの街の間を上手く繋いでくれる道路がなく、だいぶ迂回することになるので、徒歩での移動はさすがに困難。
というわけで、タクシーを捕まえたいなと思っていたんだけど……
タクシーの姿が全く見当たらない!
仕方ない、チャプリナまで歩くか。
また5kmほど歩いて、チャプリナの街まで戻ってきた。
駅前でタクシーを拾おうとするも、タクシーが全くおらず。
仕方ないので、駅前の道路に立ってタクシー待ちをするも、意外と捕まらない。
10分ほど粘って、ようやく1台止まってくれた。
私「メジュゴリェまで行きたいんだけど」
タクシーの運ちゃん「うーん、30KM(=2,280円)くらいかな」
私「OK、乗せとくれ」
この辺のタクシーの相場なんて知らないし、次はいつタクシーが捕まるかも分からないので、即決。
タクシーの運ちゃん、ちゃんとメーター使ってくれた。
結局、25KM(=1,900円)でメジュゴリェまで行けたよ!
マルクで支払ったら、お釣りがユーロで返ってきた。
ボスニア、けっこうな頻度でお釣りがユーロで返ってくることがあって。
別にいいんだけどさ。せっかくATMでマルクを下ろしたのに、気づいたら手持ち金がユーロに変わってるっていうね。
バスターミナルの前、教会が目と鼻の先の場所で降ろしてもらった。
さっそく、メジュゴリェの街を歩いてみる。
1981年6月24日に、6人の子供達がマリアを目撃したとされる。以来、この地はカトリック教徒にとって、奇跡の地として巡礼者が絶えない。ポルトガルのファティマ同様、世界中から注目を集めている。クロアチア人がほとんどを占める地域で、ワインの産地としても有名。
(参考文献:地球の歩き方)
メジュゴリェに来たのは、カトリックの聖地である教会(Parish Church of Saint James the Greater)を見学するため。
1981年に、ここで聖母マリアが出現したらしい。ポルトガルのファティマと違い、ここは非公認らしいけど。
教会の入り口には、マリア像。
聖母マリアが出現したとされるのは最近の話だから、教会自体も新しい。
中も、ぶっちゃけ普通の教会。
ここ、本当に聖地なのか? と疑うくらい、飾り気もない。
正直、ファティマのほうが100倍聖地感あるな。
でも、みんな熱心に祈りを捧げていた。
彼らの姿を見ていると、やはりここは大事な場所なんだなと実感する。
邪魔しちゃいけないなと思い、後ろから静かに眺めるだけで見学は終了。
せっかくなので、メジュゴリェの街を歩いてみる。
教会前の通りには、土産屋やレストランが数多く立ち並んでいた。
土産屋には、聖母マリアのグッズがずらり。
でも、土産屋やレストランが並んでいるのは、バスターミナル前まで。
あとは、ごく普通の街。適当に歩いてみたけど、特に何もなかった。
バスターミナルの隣にあったパン屋で、適当に選んだパンを購入(1KM=76円)。
なんか、塩っぽかった。塩パンだね。
ちなみに、英語はバリバリ通じた。タクシーに乗る時にも思ったけど、ボスニアの観光地は、ほぼ英語が通じるな。
メジュゴリェのバスターミナルから、15:30発のバスに乗ってモスタルに帰ります。
ちなみにこのバスターミナルは屋外で、トイレも待合室もチケットオフィスも、なにもなかったです。(というか、建物閉まってた。)
時刻表もなかったので、現地で情報を集めるのはちょっと大変かも。
時刻表やバスの詳細については、別記事に詳しくまとめておきます。
メジュゴリェからモスタルまで、5.5KM(=約418円)。
途中、バスの車窓から見えた景色。
なんか、まっすぐな水路みたいなのが奥まで続いている。
地図で見てみたら、すごい地形だった。これ、人工池?
うとうとしていたら、あっという間にモスタルに到着。
バスを下ろされた場所は、駅の隣のバスターミナルではなく、初日に足を運んだモスタル西バスターミナルのほうだった。
バスターミナルじゃなくて、近くの道路で下ろされたけど。
バスを降りたのは、地図上赤い印のあたり。
今日の行程は、どのブログにも書かれていなくて。自分で宿のオーナーやバスターミナルに聞き込みして、情報を集めた。
手探りながらも、自分で道を開拓する過程が面白かったな。
ちょっとした大冒険だったけど、楽しかった!
モスタルの宿では、アメリカ人女性のマギー(Maggie)と3泊ともに過ごしたよ。
マギー「コトル行きのバスに乗る時に荷物を預けたいんだけど、手もとに現金がないや。€1コインをどこかでゲットしなきゃ」
とこぼしていたので、「€1ならあげるよ」って渡してあげた。
そしたら彼女、後でちゃんと板チョコ買ってきて、「ありがとう」って返してくれた。お返しなんて求めてなかったから、びっくりしちゃったよ。
まだ23歳で若いのに、この子礼儀正しくない!?
アメリカ人って、こんなに礼儀正しかったっけな?(失礼)
私も貰ったらなるべく返すようにしてるし、そもそも貰わないようにしてるんだけどさ。手もとに何もなかった時や時間がない時は、親切をそのまま受け入れちゃうこともあって。
今回は、たまたまお金のやりとりだったからかもしれないけど。自分も貰ったままじゃなくて、ちゃんと返さないとなぁと思った瞬間だったよね。
彼女、数ヶ月間と長期で旅行しているわりには、靴はおしゃれブーツだったりスカート履いていたりして。よくある旅のスタイルに流されずに、己のスタイルを貫いている姿がカッコよかった。
私もマギーも付き合いはあっさりしているので、連絡先も特に交換しなかったんだけど。マギーとの出会いは、旅の中でも良い出会いだったなぁと思う。
他人の旅と自分の旅を比較して気分が落ち込んだ時は、彼女のことを思い出すことにしよう。
明日は、サラエボに移動します。
※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。
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