2023年1月から2月にかけて、スペイン(+アンドラ・ジブラルタル)を23日間旅行しました。
旅する中で感じたスペインのこと、特に物価や治安、街間の移動や交通について、宿や食事、その他気づいたことを書き留めておきます。
あくまで私の所感なので、ご了承を。
目次
スペインの旅ルート
私の23日間のスペインの旅ルートは、こんな感じ。
途中、ポルトガルに立ち寄ったので2週間ほどの空白がありますが……。
まず、モロッコからジブラルタル海峡を渡り、アルヘシラスから入国。イギリス領のジブラルタルに立ち寄った後、アンダルシアの主要都市を巡りつつ北上。メリダからポルトガルへ抜け、再度ポルトから夜行バスでサラマンカ入り。今度はイベリア半島を横断するように東へ進み、バルセロナからアンドラ経由でフランスのトゥールーズに抜けました。
宿泊した都市は、計13都市。
主要な都市はしっかり押さえたつもりだけど、それでも全然日数が足りなかった。まだ行きたい場所、訪れたい街がたくさんあります。
いずれサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼をしたいと思っているので、北のほうには行かなかったしね。
本当、スペインは魅力的な都市や観光スポットが多い。多すぎて困ります。
スペインに対する印象

グラナダのアルハンブラ宮殿
正直に述べると……スペインは、まだまだ消化不良。
「23日間もいたのに、お前は何をやっていたんだ」と思うかもしれないけど……ぶっちゃけ、スペインという国について深く知ることはできなかった。
お隣のポルトガルと比べると、スペインのほうが独特の掴みにくさはある気がします。
掴みにくさの理由を考えてみたのだけれど……
おそらく、地域によって街の雰囲気や歴史、文化が大きく異なるからなんじゃないかなと。
そもそもスペインという国は、レコンキスタを背景にカスティーリャやアラゴン、カタルーニャなどの国々が協力してイスラム勢力に対抗したっていうところからスタートしている。
バラバラだった国々が”スペイン”という一つの王国に統一され、長い時を経たわけですが……今も、統一前の各国の個性が色濃く残されているのよね。
だから、スペイン国内を旅しながらも、街を移動したら「別の国にやってきたんか!?」っていうくらい雰囲気がガラッと変わることもあって。

バルセロナのビーチ
例えば、バルセロナがあるカタルーニャ州。
カタルーニャの人たちは、”カタルーニャ人”という民族意識がとても強い。カタルーニャ語という、スペイン語とは異なった言語を今でも公用語として話し、2017年にはカタルーニャ共和国として独立宣言が行なわれたりもしたほど(なお、承認はされていない模様)。
スペインからの独立を求めるくらいには、国というよりも”カタルーニャ”としての意識が強いのです。
同じ歴史や文化を共有する日本人で構成された日本とは違い、スペインどちらかというと色んな小国が寄せ集まってできた連合国。
この国ついては、”スペイン”というくくりだけで語ることはできないな。というのが、スペインを旅した私の正直な感想です。
でもまぁ、この事実を知れただけでも一歩前進かな。日本で世界史の本やガイドブックを読んでいるだけじゃ、たぶんこの感覚は一生理解できなかっただろうから。
”掴みにくい”っていう少しネガティブな表現をしてしまったけど……その分、新しい街を訪れたら、別の国を訪れた時のような驚きや発見に出会うことも多くて。
スペインの街並みや観光には全く飽きることなく、ずっと何かしらの刺激があった。
これは紛れもなく、スペインの大きな魅力だと思います。
スペインで印象に残った街や場所
スペイン、マジでどこも良かったから選ぶのが難しい。
けど、強いて挙げるなら、街歩きが特にワクワクしたこの3都市かな。
コルドバ

コルドバのメスキータ
白壁に淡いイエローの差し色という街並みのせいか、歩いていて自然と気分が上がる街でした。
グラナダやセビリアは事前にある程度の下調べをしてから訪れたので、期待以上の驚きはありませんでしたが……コルドバは、私の期待を遥かに超えてきたよね。
メスキータやメディナ・アサーラは、とても見応えがあった。街中の至るところにあるタイルが可愛くて街歩きが楽しかったし、それでいて街自体はそれほど大きくもなく落ち着いた雰囲気だから、とても過ごしやすかった。
グラナダやセビリアも良かったけど、アンダルシアで最も気に入ったのは、コルドバだったな。
≫ コルドバの旅行記:【Day32】グラナダからコルドバへバスで移動!後ウマイヤ朝の首都を歩く
アビラ

アビラ
アビラの城壁、最高だった! やっぱり、あの巨大な城壁のインパクトに勝るものはないよね。
カテドラルが城壁に組み込まれている珍しい風景も印象的だったし、城壁の上を歩けるっていう体験ができたことも強く思い出に残ったポイントのひとつ。
マドリード周辺、セゴビアやトレド、エル・エスコリアルなど、日帰りで足を運べる都市がたくさんあるんだけど……私は間違いなく、アビラを推したい。
みんな、アビラに行って! 城壁すごいんだから!
≫ アビラの旅行記:【Day51】サラマンカからアビラへバス移動。要塞化したカテドラルと巨大な城壁に感動!
クエンカ

クエンカ
”宙吊りの家”に代表される、崖際の家々の景色を目的に訪れたけど、思いのほか街歩きが楽しくて印象に残った街。
丘の上に築かれた、狭くて入り組んだ街を適当にふらっと歩き、ふと開けた視界の先に美しい自然や街並みが広がっていた時の感動はハンパない。
オフシーズンだったからかもしれないが、観光客がほとんどいなかったので、誰にも邪魔されずに街歩きができたのも高評価ポイント。
主要都市から少し離れていて、行くのは少し大変かもしれないけど……スペインを訪れたら、ぜひここまで足を伸ばしてほしい。
≫ クエンカの旅行記:【Day57】マドリードからクエンカへバス移動!崖の上に築かれた要塞都市に迷い込む
スペインの物価について

スーパーで購入したパエリア
日本と同じか、若干高いくらいだと思います。
物価が高いと思って身構えて訪れましたが、それほど高いわけでもないなという印象です。
スーパーに行けば、菓子パンや惣菜パンが€1(=約140円)前後で買えます。
野菜やハム、チーズなどのサンドウィッチも€3(=約430円)もあれば買えるので、食料品に関しては日本とさほど物価は変わらないと感じました。
電子レンジで温めて食べる惣菜系も、€4(=約570円)も出せば十分お腹いっぱいになります。
ただし、外食するとなると話は別。レストランなどで食事をする場合は、最低でも一食€10以上(=約1,400円)は見ておくべきかと。
パエリアなどをがっつり食べるなら、ドリンク含めて一人€20以上はかかる気がします。
また、観光地の入場料ですが、全体的にガイドブックに記載された情報よりも値上がりしていました。
観光費は、少し多めに見ておいたほうが良いです。
物価の目安
【スーパーにて】
水ペットボトル(1.5L)…€0.3〜0.6くらい(=40〜90円)
1食分の食事(惣菜など)…〜€5(=708円)
スペインの治安について

バルセロナ・ノルド・バスターミナル
スペインの治安については、マドリードやバルセロナのような都市部とそれ以外でだいぶ違うと思うので、ざっくり2つの項目に分けて書きます。
都市部の治安(マドリード・バルセロナなど)
マドリードやバルセロナはスリが多いと聞いていたので、身構えて訪れましたが……
想像していたほどは悪くなかったな、という印象でした。街中には人が多く、ラッシュ時は地下鉄などがかなり混み合うので、人口密度が多い分だけスリに合う確率が必然的に高くなるのかなと。
でも、街中の主要な交差点には警察が立っていたので、安心して外を歩くことができました。たぶん、昔よりも治安が良くなっているんだと思います。
それでも、当たり前ですが最低限の注意は心がけながら歩きました。荷物は前に抱えて持つ、夜は出歩かない、街中では極力スマホを出さない、など……。
注意していれば、特に危険な目には遭わないと思います。
その他の地域の治安
マドリードやバルセロナ以外の主要な観光地を歩いた感想ですが、全体的にかなり治安は良いと思います。
一眼レフをぶらさげて歩いていても、全然OK。私も一眼レフを持ち歩きましたし、私以外にもカメラを首からぶら下げた観光客は大勢いました。
夜は出歩いていないので、夜の治安は分かりませんが……昼間なら、女性一人旅でも大丈夫。危ないなと思ったこともありません。
街間の移動について

スペインの高速鉄道
スペインでの街間の主な移動手段は、基本的にはバスか電車になると思います。
(飛行機もありますが、私は利用していません。)
スペイン全土に見どころが散らばっているので、各地を移動しながら見て回ろうとすると、交通費がそれなりにかかります。覚悟してください。
スペインでの街間の移動については、下記の記事で少しでも旅費を抑える方法をまとめておきました。
詳しくは、下記の記事を読んでみてください。
スペインの食事について

スーパーで買ったトルティーヤ
スペインではレストランで食事をしていないので、たいしたことは書けませんが……
スペイン滞在中に私がどんな食事を取っていたのか、一応記録しておきます。
最もお世話になったのが、写真のようなトルティージャ(スペイン風オムレツ)。
これが、スーパーで€2.5前後(約360円)で売っています。じゃがいもがゴロゴロ入っていてお腹にたまるし、美味いし、一番コスパが良かった。

スーパーで購入したサラダパスタ
あとは、サラダパスタ?的なものを買って食べたり、軽食には菓子パン・惣菜パンを買って食べたり。
パエリアも買って食べましたが、私は海鮮が好きじゃないのでイマイチでした。
とにもかくにも、スペインのスーパーにはチンして美味しく食べられる物がたくさんあったので、食事には困りませんでした。むしろ、何を食べるか迷うくらい種類があって大変だったな。
スペインの宿について

クエンカで宿泊したドミトリー
ホステルのドミトリーに宿泊することがほとんどでした。とはいっても、最安値ではない場所を選んでいたので、少し値段は高めですが。だいたい、1泊€30前後です。
ポルトガルに戻ってきてから実感しましたが、スペインでは安宿にもしっかり暖房設備が備わっていて暖かかったです。これ、冬はとても重要。大変ありがたかった。
安宿でもベッドはきれいだし、キッチンやロッカーなど必要な設備は整っているので、どこも基本的には快適でした。
実際に宿泊してみて、「人に薦めても大丈夫そうだな」と思った宿だけ挙げておきます。
グラナダ:Broz Hostel

Broz Hostel
1泊の料金:€18.33(=約2,630円)
女性用のドミトリーに宿泊しました。全体的に、設備が新しめだったと思います。
ベッドは清潔だし、カーテンあるし、ロッカーもあり。水回りも清潔だったし、地下のキッチンが広くてきれいで使いやすかったよ。
個人的には、客層が良かったかも。若い子ばかりじゃなくて、私よりも年上の人も多く宿泊しているホステルだったので、落ち着いた雰囲気だったのが◎。
マドリード:2060 The Newton Hostel

マドリード:2060 The Newton Hostel
1泊の料金:€30(=約4,300円)
マドリードの中心地にあるホステルです。
まず、立地が良かった。最寄りの地下鉄駅はTirso de Molinaですが、ソル駅(Sol)からも歩いて行けます。マドリードの主要な観光スポットは、ほぼ徒歩圏内でした。
朝食ではないけれど、朝に無料でコーヒーとチュロス(チョコレートはない)がついてきます。
客層も、若い子から自分より年上まで幅広かった。仕事している人も多かったし、大都市にありがちなパリピ宿ではなく、落ち着いた雰囲気だったのも良かったポイントです。
その他、所感や気づきなど
人気観光地はオフシーズンでも混雑する

セビリアのカテドラル
私が旅行した時期は、真冬の1月。
観光オフシーズンのはずでしたが……人気の観光地はかなり混んでいました。
特に、
- グラナダのアルハンブラ宮殿
- セビリアのカテドラルとアルカサル
- マドリードの美術館
上記のスポットはとても混んでいました。チケット購入の列ができており、入場時にも待ち時間が発生します。
待ち時間なく効率よく観光するなら、事前に予約して行くことをおすすめします。
スペイン人は意外とドライ!?

マドリードの王宮
スペインを訪れる前は、「きっと陽キャの国なんだろうな、私でもやっていけるのだろうか」と心配していましたが……
スペイン人、意外とドライよ。向こうからは、全然話しかけてこない。何か困ったことがあっても、自分から話しかけに行かないと、基本的には会話になりません。
ポルトガル人のほうが、数倍優しいし、人懐っこいなと感じました。
そもそもスペイン、バスに乗る時などに英語が通じない場面がけっこう多かった。「英語でOK?」って尋ねても、きっぱり断られることもあったしね。
やっぱり、世界で広く話されている言語を母国語にする国の人たちって、こういう反応が多い気がする。外国語を勉強しなくても困らないから、なのかもしれないね。
スペイン、リベンジしたい!
スペイン、またいつか再訪して、リベンジしたい!
今度は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼も実現したいし、まだまだ行きたい場所はたくさん残っているので。
正直、スペインについては歴史や文化的な面で勉強不足だったなぁと思うことも多々あったので、今度はもっとしっかり準備していきたいな。
以上、スペイン旅行のメモと所感でした!
※ 為替レートは、記事を書いた時点(2023年1月)のものです。
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