2023年1月に、ポルトガルを13日間旅行しました。
旅する中で感じたポルトガルのこと、特に物価や治安、街間の移動や交通について、宿や食事、その他気づいたことを書き留めておきます。
あくまで私の所感なので、ご了承を。
目次
ポルトガルの旅ルート
私の13日間のポルトガルの旅ルートは、こんな感じ。
スペインのバダホスからエルヴァスに入り、各地を経由しつつポルトまで北上し、再びスペインのサラマンカに抜けるというコース。
宿泊した都市は計6都市でしたが、日帰りで訪れた場所も含めると計13都市でした。
後から振り返って気づいたけど、ほぼ毎日新しい街を観光してたのか。ポルトガル滞在中、「忙しいなぁ」と感じていた理由にようやく気づきました。
駆け足でしたが、行きたい場所はひととおり訪れることができました。
ただ、旅を終えてみて、北から南へ南下するルートの方が理想的だったかもしれないと感じています。
というのも、ポルトガルという国が最初に成立したのは、ギマランイスやポルトなどの北側でのこと。
ギマランイスからコインブラへ遷都し、イスラム勢力と戦いながら南進。やがてリスボンまで到達して、ポルトガルの今の領土ができあがった、という歴史の流れがあるのです。
歴史の流れをたどるなら、北から南のルートのほうがロマンがあったかもしれません。
ポルトガルに対する印象
めっっっちゃ良かった!
最後ポルトガルを離れる時、「とても寂しいな、名残惜しい」と感じるくらい、気づけばこの国に愛着が湧いていました。
街並み良し。見どころ満載。治安良い。食事美味い。物価が安め。人が優しい。移動しやすい。
という、さすが観光大国だけあって、マジで欠点が見つからなかった。
最初から最後まで、嫌な思いをせずに楽しく駆け抜けることができました。
唯一、文句を言うとすれば、人気スポットには観光客が多すぎたことかな。
オフシーズンにもかかわらず、あまりに混雑していたせいで萎えてしまい、写真撮影をやめてしまった場面がたまにありました。
まあ、それだけ人を集められる魅力がある国ってことですね。
国自体もそれほど大きくないので、短期でも手軽に旅行しやすい国だと思います。
ポルトガルで印象に残った街や場所
正直、ポルトガルの観光地はどこも期待を超えて驚かせてくれました。
各街それぞれに個性があるので、移動すればまた違った雰囲気が楽しめる。本当、最後まで飽きませんでした。
絞るのが難しいけど、特に印象に残った街をいくつかご紹介。
バターリャ修道院
ポルトガルで、最も気に入った建築物。
戦いの勝利を記念して建てられた修道院という背景もあって、まず外観がとにかくカッコいい。
中に入れば、ステンドグラスの光が美しい巨大な聖堂が広がっている。
さらに未完の礼拝堂が追い討ちをかけるように、なんとも言えぬ哀愁を漂わせながら、思わず歴史に思いを馳せてしまうような不思議な雰囲気を醸し出す。
バターリャ修道院は世界遺産にも登録されていて、周辺都市からバスでアクセス可能。ポルトガルに立ち寄った際は、ぜひ訪れてほしいスポットです。
≫ バターリャ修道院の旅行記:【Day44】世界遺産のアルコバサ修道院とバターリャ修道院をバスで日帰り観光!
ポルト
実はポルト観光の際、レロ書店以外はお金のかかる観光名所に入らなかったのですが……。
港街の雰囲気が抜群に良く、街歩きだけで満足できる素敵な都市でした。
街自体は広くありませんが、坂道が多く、起伏の激しい土地に築かれた茶色い屋根の美しさには舌を巻きます。
中世から近世にかけて商業都市として栄えていた頃のポルトを想像して歩くのが、最高に楽しかった。
リスボンほど混雑していないので、散策が快適だったのも◎。
≫ リスボンの旅行記:【Day48】商業都市ポルト観光!ドウロ川沿いやドン・ルイス1世橋をまったり散策!
ギマランイス
世界遺産にも登録されている歴史地区、ギマランイス。
それほど期待せずに訪れたので、良い意味で覆されました。
ポルトガルの名所は、大航海時代に集めた富で豪華に建てられたり、手が加えられて改築された建築が多いのですが……
ギマランイスには、それ以前の中世時代らしい質素で素朴な雰囲気がしっかりと残っていました。
大航海時代の華やかな景色もポルトガルらしいけど、それ以前の古めかしい中世時代の雰囲気を味わいたい方には、ぜひ訪れてほしい街です。
≫ ギマランイスの旅行記:【Day49】ポルトガル発祥の地ギマランイスへ。素朴な中世の雰囲気を堪能!
ポルトガルの物価について
ヨーロッパの中では、それほど高くない物価なのだと思います。
全体的に、スペインの観光地よりも若干安いかなという印象。(本当に若干ですが)
スーパーに行けば、菓子パンや惣菜パンが€1(=約140円)前後で買えます。
野菜やハム、チーズなどのサンドウィッチも€3(=約430円)もあれば買えるので、食料品に関しては日本とさほど物価は変わらないと感じました。
電子レンジで温めて食べる惣菜系も、€4(=約570円)も出せば十分お腹いっぱいになります。
特筆すべきは、お酒が安いことですかね。正直、私は酒を飲まないので詳しくはコメントできませんが……
リスボンでは、無料で食事にお酒がついてくることを謳った看板が目につきましたし、私が宿泊したホステルでは、€13(=1,840円)で夕食+酒の飲み放題を提供していました。
若い旅行客グループが、スーパーでボトルワインを何本も購入する姿を目にしたり……。きっと若者でも酒を大量に買えるほど、ポルトガルはお酒が安いってことなのでしょう。
ポルトガルは、ワインでも有名ですからね。お酒を嗜む方々にとっては、天国かもしれません。
ポルトガルではレストランに入っていないので、レストランでの食事に関してもコメントしづらいのですが……。
看板のメニューを読んでみた印象、やはり€10以上(=約1,420円以上)を予算に見ておくべき。
ちなみに観光地の入場料は、全体的にガイドブックに記載された情報よりも値上りしていました。
観光費は、少し多めに見ておいたほうが良いです。
物価の目安
【スーパーにて】
水ペットボトル(1.5L)…€0.3〜0.6くらい(=40〜90円)
1食分の食事(惣菜など)…〜€5(=708円)
ポルトガルの治安について
ポルトガルの治安は、かなり良いと思いました。歩いていて危ないと感じた瞬間は、一度もありませんでした。
街中でカメラを首から下げている観光客も多かったですし、リュックを前に背負ってスリ対策している人は誰も見かけませんでした。
夜は一度も外を出歩いていないので、夜の治安についてはコメントできません。
治安は良いとは言いましたが、リスボンの地下鉄車内にはお金をせびる人も徘徊していますし、トラムやバス内にはスリに注意と書いてあるので、盗難などの犯罪は起こる可能性がある国だということは、必ず念頭に入れておいてください。
必要最低限の旅の安全を心がけていれば、安心して旅行できます。
街間の移動について
ポルトガルでの街間の主な移動手段は、バスか電車になると思います。
私は、ほとんどバスを利用していました。列車は近郊の街に日帰りで行く時だけで、1時間以上の長距離列車には乗っていません。
バス会社は、rede expressosか、FlixBusです。
ウェブサイトは、両方とも英語に変更可能。サイト上で時刻表や値段を確認したり予約したりできるので、値段や時間を比較して、都合の良い方に乗れば良いと思います。
乗り方も、特に難しくはありませんでした。
事前にネット予約したチケットをスマホに取り込んでおき、乗車時に運転手さんにチケットのQRコードをスマホ画面で見せるだけ。
バスターミナルや乗車場所だけ間違えないよう、よく確認してください。
街中の移動について
ポルトガルの多くの街は規模がそれほど大きくないので、基本的には徒歩移動でした。
大都市のリスボンとポルトだけは、地下鉄や電車、トラムなどを利用しました。
券売機を英語表示に変更できる場合は、チケット購入はとても簡単。英語に設定してから、指示通りにボタンを押して、クレシットカードや現金などで支払いを済ませればOK。
ポルトの券売機は英語表示に変更できなかったので、チケットオフィスで行き先を伝え、チケットを購入していました。リスボンやポルトなら、ほぼ英語は通じます。
改札ゲートがある時は、購入したチケット(カードのような見た目)を改札にタッチしてゲートを抜ければOK。
改札がない場合は、たいてい駅のホームや車内に打刻機が設置されていることがほとんどなので、チケットを打刻機にタッチして、自分で打刻します。
詳しい乗り方はガイドブックなどにも書いてあるので、ここでは割愛!
ポルトガルの食事について
ポルトガルでは一度もレストランで食事をしておらず、たいしたコメントはできませんが……ポルトガル滞在中に何を食べていたのか、備忘録として一応書き記しておきます。
基本的には、写真のようなスープとパンです。
スープは、一人分のカップの入ったタイプで〜1.8€(〜約260円)。これを宿でチンして、パンと一緒に食べてました。ポルトガルはスープの種類が充実していて、どれもおいしかったよ。
ポルトガルは、とにかくパンが美味いです。
スーパーに限らず、歩いていればパン屋を見かけます。菓子パンや惣菜パンの種類が豊富で、3€(=約430円)もあれば美味しいパンを食べられますので、軽食におすすめ。
定番だけど、パステル・デ・ナタ(エッグタルト)は安くて美味かった。
個人的におすすめのスーパーは、Pingo Doce。規模は違えど、ポルトガルのほとんどの街で見かけました。
このスーパーの良いところは、賞味期限が近い商品に値引シールが貼ってあること。どうせ夕飯用に買ったものはその日のうちに食べるので、値引商品を買ってました。(旅先でも値引シール探す私って、どうなんだ?)
あと、この会社のプライベートブランドがあるので、普通に商品が安めなのよね。惣菜の種類もも多かったし、ポルトガルでは新しい街に着くと、必ずPingo Doceを探していました。
ポルトガルの宿について
私は、ドミトリーに宿泊することがほとんどでした。とは言っても、最安値のところではなく、評価が高くて清潔なドミを狙って宿泊しましたが。
全体的に、清潔で設備も整った宿が多かったと思います。値段に関しては、ドミトリーならどこも€30以内(=約4,250円)で宿泊できる場所がほとんど。(オフシーズンの話です)
ひとつ注意点として、ポルトガルの宿には暖房設備が整っていない場所が多かったです。(値段が高い宿なら大丈夫だと思いますが)
1月の寒い時期だったこともあり、室内でも寒くて辛かった。時には、上着を着込んで寝たこともあったレベルです。
冬にポルトガルの安宿に泊まる時は、ぜひ寒さ対策を。
(ポルトガルはヨーロッパの中でも温暖な国なので、日本と同じで冬は室内が寒いのが当たり前なのかもしれません)
実際に宿泊して、人に薦めても大丈夫そうだと思った宿だけ挙げておきます。
ひとつ追記しておくと、どの宿にもエレベーターはなく、階段のみなので、重い荷物を持っている方はご注意ください。
(写真を撮り忘れた宿もあります。スミマセン)
エルヴァス:Alcamim Guesthouse
1泊の料金:€40(=約5,670円)
ホステルではありません。バスルーム付きの個室に泊まりました。
朝9時台に到着したのですが、ご親切に部屋に入れてくれました。この時点で、好感度◎。
部屋の日当たりが良く、暖房(エアコン)もあったので、室内で洗濯物を干すことができました。
キッチンはありませんが、受付に電子レンジとウォーターサーバーがあり、熱いお湯の調達も可能。朝食はついていませんが、インスタントコーヒーやお茶の用意もあって、設備が整っていてとてもよかった。徒歩圏内にスーパーもあるので、スーパーで買ってきた惣菜を温めて食べることができました。
部屋も清潔で水も温かいし、個人的には文句なし。とても快適な滞在でした。
リスボン:Goodmorning Solo Traveller Hostel
1泊の料金:€28(=約3,970円)
まず、立地が良い。地下鉄や列車の駅に近く、どこに行くにもアクセスが抜群によかった。
ベッドも清潔で、カーテンあり。南京錠を使って鍵を掛けられるロッカーもあります。
部屋の外に男女別の大きなバスルームがあり、シャワーや洗面台の数も多かった。キッチンや共有スペースも充実。あと、朝食付きなのが良かった。チェックイン前に、荷物も無料で預かってくれました。
このホステルは、夕食代(確か€13)を支払えば、お酒が飲み放題になるみたいです。酒飲みには天国かも。
ただ、若い宿泊者も多く、夜は遅くまでうるさかったので、そういう雰囲気が苦手な方は避けてください。
ポルト:Best Guest Porto Hostel
1泊の料金:€22(=約3,120円)
サンベント駅からとても近く、アクセス良し。
キッチンもあり、部屋も綺麗でした。ロッカーもあり、鍵は全てカードキーで管理できるので快適。
その代わり、€5のデポジットがある点だけ要注意。チェックアウトの時にカードを返せば、€5も戻ってきます。
受付の人の印象が良く、優しく丁寧に色々教えてくれました。夜は若干寒かったけど、まあ許容できるレベル。
特に不便な点が見当たらなかったので、この宿も挙げておきます。
その他、所感や気づきなど
人気観光地はオフシーズンでも混雑する
私が旅行した時期は真冬の1月で観光オフシーズンのはずでしたが、人気の観光地はかなり混雑していました。
特に、
- リスボン(特に、ジェロニモス修道院)
- シントラ(全体的にどのスポットも混んでいたが、特にペーナ宮殿)
- ポルトのレロ書店
上記のスポットは、特に混んでいました。チケット購入のために列に並び、さらに入場時にも待ち時間が発生します。
待ち時間をなるべく少なく効率的に観光するなら、事前に予約して行くか、リスボアカード、シントラカードのような入場料込みのチケットを活用することをおすすめします。
アズレージョは必見
ポルトガルの街中を歩いていて、いたるところで目にするのがアズレージョと呼ばれるタイルです。教会の内装に施されていたり、駅舎に使われていたり、家の壁にも。
アズレージョの良いところは、入場料のかからない街中で鑑賞できることなんですよね(貧乏旅行でスミマセン)。どれも美しいし、お気に入りの柄を見つけた時はテンション上がります。
観光にお金をかけたくないって方は、ぜひアズレージョ探しの街歩きをしてみてください。
ポルトガル人は愛想がいい(特に女性)
これは完全に個人の所感ですが……ポルトガル人、特に女性が優しかったな。
優しいというか、愛想がいいと言うべきだろうか。
目が合えばにっこり笑いかけてくれたり、時に向こうから挨拶や天気についての話題を振ってくれたり、ちょっとした立ち話が好きなのかもしれません。
ポルトガルの前に訪れていたスペインでは、意外とみんなドライだったので……ポルトガルに来て親切な人柄に触れて、とても安堵しました。
リスボンやポルトから少し離れると英語が通じなくて困ることもあったけど、相手は言語の壁など気にせず喋りかけてくるので、それもそれで楽しい思い出になりました。
英語が通じない場面が意外と多かった
前項と関連しますが、少し地方に行くと、英語が通じない場面が多々ありました。
バスのチケットオフィスや宿などで英語が通じず、相手はポルトガル語、こっちは英語で喋るという、なんとも奇妙な状況に陥る場面も。気合とジェスチャーで適当の乗り切りましたが。
ポルトのホステルでは、私以外がポルトガル語とスペイン語しか喋れないという状況で、かなりアウェイな思いもしました。(当たり前だけど、同じポルトガル語圏のブラジルから来た旅行者も多いんだね)
今時はスマホで翻訳できるので、たいした問題ではありませんが……一応メモとして残しておきます。
(リスボンやポルトなどの大都市の観光地では、英語は問題なく通じます。)
便座のないトイレがちらほら
ポルトガルのトイレ、たまーに便座が外れていて無いことがありました。
最初は、「あれ、盗まれちゃったかな?」としか思っていませんでしたが……けっこうな頻度で便座のないトイレに遭遇する!
まあ、腰を浮かせて用を足すからいいけどさ。こんなこともあるんだなって少し驚きました。(男性トイレは知らん)
ポルトガル、最高でした!
ポルトガル、最高だったよ!
もう少し長く滞在したいと思ったくらい、ポルトガルを離れるのが名残惜しかった。
さすが観光大国と言うべきか、目立ったトラブルもなく、最後まで快適に旅行できたしね。
機会があれば、また行きたい。そう思える国でした。
以上、ポルトガル旅行のメモと所感でした!
※ 為替レートは、記事を書いた時点(2023年1月)のものです。
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