2023年2月から3月にかけてイタリア、特に北イタリア(+サンマリノ)を15日間旅行しました。
旅する中で感じたイタリアのこと、特に物価や治安、街間の移動や交通について、宿や食事、その他気づいたことを書き留めておきます。
あくまで私の所感なので、ご了承を。
目次
イタリア〈北イタリア編〉の旅ルート
私の15日間のイタリア、特に北イタリア中心の旅ルートは、こんな感じ。
フランスのリヨンからバスでトリノに入り、地中海沿いを観光しつつ、シエナへ。シエナのあとは北上し、ボローニャとフェラーラを拠点に周辺の見どころを日帰りで観光。最後はトリエステからスロベニアのリュブリャナへ抜けるというコース。
途中、サンマリノ共和国にも日帰りで観光しました。
宿泊した都市は計7都市でしたが、日帰りで訪れた場所も含めると計15都市訪れました。
今思えば、イタリア旅行で定番のローマやフィレンツェ、ヴェネツィアをことごとくスルーする、なんとも邪道なルートだったな。
でも、主な都市は過去に旅行で訪れたことがあったので。今回は、短期旅行ではなかなか行きづらい場所を中心にルート組みしました。
イタリア〈北イタリア〉に対する印象

トリノ
過去にローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリを旅行したことがあるので、初めての国を訪れた時ほどの新鮮さはありませんでしたが……イタリア、やっぱり見どころ多くて困る。
宿代や交通費が高すぎたため、今回は泣く泣くルートから外した場所もありました。(モデナやアッシジなど)
何度訪れても足りることのない、無限に見どころがある恐ろしい国だなぁと改めて思ったよ。
比較的スムーズに旅行できたスペインやポルトガル、フランスを経てイタリア入りしたからかもしれないけど……イタリア旅行、意外と不便だった!
前回のイタリア旅行とは違い、今回は節約旅行。バックパッカーの皆さんに言っておきますが……イタリアの節約旅行、けっこう大変だよ。
詳しいことは後述しますが、物価や宿代は高い。トイレは有料。Wi-Fiが通っていない場所が多い。コインロッカーもない。宿の受付がいないことが多い。
スペイン、ポルトガル、フランスでは困らなかった場所でつまづくことが多くて、色々と疲れました。
でも、見たい遺産が多すぎるので、多少の不便は目をつぶってでも再訪したいと思っちゃう国。それがイタリアなんだよなぁ。
イタリア〈北イタリア〉で印象に残った街や場所
イタリアは、やっぱりどこに行っても期待を裏切らない魅力があるから、選ぶのも悩むけど……挙げるなら、この4カ所かな。
シエナ

シエナ
映画「007 / 慰めの報酬」 の冒頭でジェームズボンドがチェイスしているシーンを見て街並みに一目惚れし、人生で一度は必ず行くと決めた場所。
実際に行ってみて、期待通りに素敵な場所だった。丘の上に築かれた茶色い街並みを彷徨い歩くのが、とにかく最高。
街のいたる場所にある古い教会にふらっと入って内装をボーッと眺めたり、美術館でシエナ派の絵画に触れてみたり。あまり計画を立てず、適当に歩くのが楽しい街。
≫ シエナの旅行記:【Day78】トスカーナの古都シエナで教会巡り!カンポ広場やドゥオーモを堪能
ポルトヴェーネレ

ポルトヴェーネレ
ポルトヴェーネレ、当初は行くつもりがなかった場所。
前日の悪天候チンクエテッレに、あまりにも萎えてしまって。他に行ける場所はないかなーと探していたら、たまたま手頃な距離にあったから立ち寄ってみただけなんだよね。
実際に行ってみたら、絶景が広がっていて感動した。可愛らしい街並みの先には、青い海と岩場の大自然が広がっている。岬の崖上にある教会は、雰囲気◎。
世界遺産に登録されている場所だけど、チンクエテッレよりも人が少なくてゆっくり観光できるのも良い。
チンクエテッレ観光の際に、ぜひセットで足を伸ばしてもらいたい場所。
≫ ポルトヴェーネレの旅行記:【Day77】絶景の世界遺産ポルトヴェーネレを観光!ついでにピサの斜塔も拝んできたよ
エステンセ城

フェラーラのエステンセ城
私は、お城好きなのですが……エステンセ城は、私のお気に入りの城リストに追加されました。
まず、四角い堀が城を囲っていて、橋を渡って入場する時点で雰囲気満点。4つの塔と、立方形を組み合わせたような四角い見た目がかっこいい。
内部の見学では、腰をかがまなないと入れない狭い牢獄や通路などを見ることができて、終始ワクワク。塔の上から見えるフェラーラの街並みは最高。
フェラーラ自体も素敵な街だったけど、特にエステンセ城は強烈に印象に残りました。
≫ フェラーラの旅行記:【Day83】ルネサンスの街フェラーラ観光!エステ家の居城「エステンセ城」がカッコ良すぎた
アクイレイア

アクイレイア
今回のイタリア旅行の最後に訪れた場所。
モザイク床とフレスコ画が凄かったよ。とても良い状態で保存されていて驚いたのと、博物館ではモザイクや出土品の多さに圧倒されました。
田舎だし、電車とバスを乗り継がないといけないので、ちょっと大変なんだけどね。
ローマ時代が好きな人に、ぜひおすすめしたい場所です。
≫ アクイレイアの旅行記:【Day86】アクイレイアの考古地区を見学!バシリカのモザイク床とフレスコ画が凄かった
イタリアの物価について

カフェのエスプレッソ(€1.2)
食費に関しては、フランスと同じレベルだと思いました。スーパーで買い物するくらいなら、別にべらぼうに高いわけでもないなといった水準。
でも、ひとつ苦言を言わせてもらうと、ミネラルウォーターよりも、炭酸水のほうが値段が安いのはどうにかしてくれ。ワイは普通のミネラルウォーターを安く買いたかったんじゃ!
どちらかというと、交通費のほうが高かった印象。特に鉄道。
長距離移動はFlixbusで安く済ませましたが……日帰りで近郊の街へ出かけるのは、やっぱり列車を利用するのが便利だったので、イタリアでは列車を多用。
しかし、フランスやスペインの列車と違って、イタリアのトレニタリアは早めに予約しても割引にはならない。安くチケットを買う方法がなかったので、地味に費用がかさみました。
でも、日本の交通費と比べると、それほどバカ高いってわけでもないのよね。海外の水準で考えると、高く感じるなというレベルです。
物価の目安
【スーパーにて】
水ペットボトル(1.5L・炭酸水)…€0.3〜0.5(=約40〜70円)
水ペットボトル(1.5L・炭酸なし)…€0.6〜1.0(=85〜140円)
食パン1斤…€1〜1.5(=約140〜215円)
カット野菜1袋…€0.9〜1.5(=約130〜215円)
イタリアの治安について

ジェノヴァ
イタリアに入国する前、フランスに滞在していた時のこと。
ホステルやバスターミナルで出会う人たちに「イタリアに行くよ」と告げたら、皆に口を揃えて「スリに気をつけろよ」と言われました。
フランス人にも恐れられるほど、スリが横行する国。それがイタリアです。
ただ、私は幸いなことにスリ被害に遭わず。
ですが、常に警戒はしておきました。私が行なっていたことは...
- リュックサックのポケットには貴重品を入れない。メインの開け口には南京錠。
- 貴重品が入ったカバンは服の下に隠す。
- 一眼レフは上着の下から下げる。
- 人が多い場所では、スマホとカバンを紐で繋げておく。
- 移動中は、荷物から目を離さない。
などなど……
これだけやっておけば、スリも近寄ってきません。スリ未遂にも合いませんでした。
治安については、今回はローマやナポリなどの危ないとされている都市やスポットではなく、比較的マイナーな都市を転々としていたので、「物騒だなぁ」と思う場所はありませんでした。
強いて挙げるとしたら……
- ジェノヴァ
- トリノ
この2都市は都会で人も多いので、ローマやナポリを訪れる時と同じレベルで警戒して良いと思います。
特にジェノヴァは、メインの大通りから少し奥に入った路地が昼間でも暗くて驚きました。ジェノヴァは建物が上に高いので、昼間でも路地裏は日陰で、鬱蒼とした雰囲気が漂っているんですよね。
昼間でもそんな感じなので、特に女性一人の場合は夜は出歩かないほうが良いと思います。
街間の移動について

イタリアの鉄道(トレニタリア)
基本的に、バスか鉄道です。
距離がある場合はFlixbus、近郊の街に出かける時は鉄道、というようにに使い分けていました。
安く移動するなら、やっぱりFlixbus一択じゃないかな。
イタリア国内はFlixbusがかなり普及していて、地方都市でも便がそれなりに見つかったので、かなり重宝しました。
ただ、やっぱり安いからこそ不便だなと思うこともあったけどね。
イタリア内のFlixbusバス停は、基本的に野ざらし。私がイタリアにいた時はずっと天気が悪く……フィレンツェのバスターミナルでは、雨の中で荷物を背負って傘を刺して、びしょ濡れになりながらバスを待ったことも。
スペインでは小さい街でもちゃんと屋根付きのバスターミナルがあったので、それと比べるとFlixbusは不便だなぁと思っちゃったよね。
Flixbusが通っていない区間や短距離の時は、鉄道(トレニタリア)を利用しました。
ただ、フランスやスペインの鉄道とは違い、早めに予約しても安くならなかったんだよなぁ。なので、交通費はけっこう嵩みました。
逆に言えば、事前に計画を立てずとも直前に駅でチケットを買えば良かったので、臨機応変に観光できるところは便利だったけどね。
イタリアの食事について

カット野菜とチーズを挟んだだけの手抜きサンドウィッチ
イタリアを訪れたにもかかわらず、ピザもパスタも食っていない旅人とは、私のことです。ハイ。
基本的に、食事は自炊をしていました。フランスに引き続き、カット野菜とチーズをパンに挟んでサンドウィッチを作るだけの手抜き料理だけど。
幸いにも、朝食付きの宿が多かったので、朝たらふく食べて、昼はお菓子だけで、夜にまたがっつり食べるという1日2食生活が基本でした。

イタリア滞在中によく食べていたロールケーキ
イタリア、美味しいお菓子がたくさんあったよ。
安くて美味かったのは、アプリコットジャムのタルトとロールケーキ。
この2つをバカみたいに食ってました。
イタリアのスーパーで思ったけど、スペインやフランスに比べて、買ってすぐに食べられる惣菜系やレンチン料理の種類が少なかった。
キッチンのない宿で節約生活するのは、少し厳しいかもしれないです。
イタリアの宿について
全体的に値段が高かった!
ホステルでも、土日は普通に€30(=約4,280円)を超えてくる。
最高値だったのは、ボローニャのホステル。1泊€40以上(=約5,700円)して、マジでぼったくりだと思ったわ。
小さな街ではホステルなかったから、個室のホテルに泊まるしかなかったし。イタリア旅行は、貧乏旅行者には辛かったよ。
いくつか、居心地の良かった宿をメモしておきます。
ラ・スペツィア:Affittacamere Casa Dane

Affittacamere Casa Daneの朝食
1泊の料金:€34(=約5,000円)
ホステルではなく、個室のホテルです。
チンクエテッレ周辺は総じて宿代が高いのですが、唯一ここだけ1泊€34と安かった。
ラ・スペツィア駅構内にあるので、立地◎。荷物を置いて、すぐに観光に出かけられます。
部屋はきれい。専用バスルームも部屋についている。ケトルあり。冷蔵庫あり。普段ホステルに宿泊している私からしたら、天国のような場所でした。
朝食もついてきます。下の階のカフェで、ドリンク1杯と好きなパンを1個、無料で頼めます。
不満点を挙げるとしたら、朝8時になっても受付に人が誰もいなかったことかな。おかげで荷物を預けることができず、チェックアウト日は荷物を担いで観光する羽目になりました。
チェックイン、チェックアウトの時間は、事前に宿の人と相談しておきましょう。
フェッラーラ:Student's Hostel Estense

Student's Hostel Estense
1泊の料金:€25(=約3,700円)
フェラーラ駅から徒歩15分ほどの場所にあるホステル。女性ドミトリーに泊まりました。
部屋が広くて、清潔。ロッカーやベッド元の棚が大きくて、とても便利でした。
風呂やトイレも女性と男性で分かれていて、わりと綺麗だったよ。個数も多くて、混むこともなかった。
しっかりとした朝食がついてきます。温かいクロワッサンとカプチーノが無料なのは、とても良かった。
欠点を挙げるとすれば、キッチンが無いこと。でも、食器や冷蔵庫は受付に言えば貸してくれるので、私は特に困りませんでした。
トリエステ:ControVento
1泊の料金:€25(=約円)
トリエステ駅から徒歩20分ほどの場所にあります。駅から少し遠いけど、良いホステルだった。
バスルームは男女別。部屋がとにかく広かったおかげで、荷物を思いっきり広げながらパッキングできました。寝る時も人の目が全然気にならず、ぐっすり眠れたよ。
ここも、朝食がついてきます。ハムやヨーグルト、スクランブルエッグなど、ホステルとは思えない充実した朝食で、とても感動しました。
キッチンもあり、バックパックが余裕で入る大きなロッカーもあり、基本的な設備はすべて揃っています。
その他、所感や気づきなど
イタリア旅行は不便!

ピサ
ポルトガル、スペイン、フランス、と観光しやすい国を渡り歩いてきたせいもあって、「次のイタリアも観光大国なんだから、楽勝!」と思っていましたが……
イタリア旅行、意外と不便で大変だった。
不便な点、その1。駅やバスターミナルにWi-Fiが通っていない。もしくは通っていたとしても、有料。
まさか、Wi-Fi環境で躓くとは思っていなかった! 今まで訪れた国では、高確率でバスターミナルや駅にWi-Fiが通っていたのよ。イタリアで、こんなにもWi-Fi難民になるとは思っていなかった。
カフェに入ればいいんだけどさ、地味にお金かかるじゃん。だから、私は基本的にカフェには入らずにやり過ごすんだけど……イタリアのSIMなしオフライン旅行は、少し大変でした。
不便な点、その2。トイレがどこも有料。
今まで訪れた国にも、もちろん有料トイレはあったよ。でも、少し歩いて別の場所に行けば、すぐに無料トイレが見つかったから、これまでは困らなかったんだよね。
でもイタリアでは、駅やバスターミナルのトイレはことごとく有料。毎回€1とられるのが、地味にうざかった。
不便な点、その3。リセプションがいなくて困った。
これは、私が24時間体制の受付じゃない安宿に泊まってるからいけないんだけどさ。
普通、朝8時には受付に誰かしら人がいると思うじゃん? それが、いないんだよね。
チェックアウト日だったから、荷物を預けて観光に出かけたかったんだけど……結局預けられず、その日は荷物をすべて担いで観光しました。
イタリアの安宿、なぜか高確率で受付がいなかった。チェックアウトだけなら、鍵置いていけば良いけどさ。荷物預ける時には、さすがに困ったよね。
宿代が安い国なら、移動日に観光なんて入れたりしないから、別に困らないんだけど。イタリアは宿代が高いから、そう簡単に「もう1泊します」とかできないわけで。ちょっぴりイライラ。
イタリア短期旅行の際は、朝から丸1日ぎっしり予定を詰め込むと思いますので、宿の受付が開いている時間は事前にきちんと確認しておくのがベター。
どの街に行っても、ハズレなく街歩きが楽しい

ラヴェンナ
今回、ローマやフィレンツェ、ヴェネツィアなどのイタリア旅行定番都市ではなく、少しマイナーな街や観光地にも足を運んでみたのだけれど……
どの町に行っても、教会やローマ遺跡、ルネサンス時代のデカい建造物や、由緒ある家系の宮殿……必ず何かしらの見どころがあることに驚いたよね。
移動の乗り換えで立ち寄っただけの場所で、巨大な遺跡や建造物を発見した時の驚きや感動は格別。
どの街でも、ただ歩いているだけで見どころに出会えるって、マジでイタリアは観光資源に恵まれていると思う。
一生かかっても見切れないほど見どころが詰まっているイタリア観光には、キリがない。全部みたいなら、もはや住むしかないよね。
多少の不便さは目を瞑ってでも、また訪れたいイタリア
イタリアの南のほうには行けなかったし、アッシジやモデナなど、今回は諦めたスポットもまだまだあるからね。
多分、またいつか訪れる日がやってくるんじゃないかと思います。
色々と不便なことも多かったけど、それはそれで良き思い出。
イタリア、また来ます。アリーヴェデルチ!
以上、イタリア旅行〈北イタリア編〉のメモと所感でした!
※ 為替レートは、記事を書いた時点(2023年3月)のものです。
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