2023年3月〜4月に、モンテネグロを9日間旅行しました。
旅する中で感じたモンテネグロのこと、特に物価や治安、街間の移動や交通について、宿や食事、その他気づいたことを書き留めておきます。
あくまで私の所感なので、ご了承を。
目次
モンテネグロの旅ルート
私のモンテネグロの旅ルートは、こんな感じ。
クロアチアのドゥブロヴニクから、バスでポドゴリツァに入りました。その後、ブドヴァとコトルに宿泊しつつ、日帰りでウルツィニやツェティニェを観光。最後はコトルからバスで、ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルに抜けました。
モンテネグロはそれほど見どころもなかったので、見たいところは全部見れました。
途中、天気が悪かったこともあって、1日休んでまったり過ごしたこともあり、モンテネグロの旅行ペースは遅めです。
モンテネグロに対する印象

ポドゴリツァ
西ヨーロッパの旅を経てクロアチアから来たこともあってか、モンテネグロに入った瞬間、文化圏が急に変化したことを実感しました。
街中で多く見かけるのは、四角いコンクリートアパートや正教会の聖堂。看板には、キリル文字。
あまりにも、今まで旅してきた西ヨーロッパとは景色が違ったこと。そして、モンテネグロの人々(特に男性)の体格が良くて怖かったこともあって、最初は少しビビっちゃったよね。
でも、モンテネグロの人たち、接してみるととても優しい。意外と英語も通じるので、旅中に言語で困ったこともほとんどなかった。
宿代もだいぶ下がったので、あやうく沈没しかけました。
観光地としてはそれほど印象に残らなかったけど……初めて正教会に足を踏み入れたり、ロシア人だらけのホステルに宿泊したり、インド人富豪から人生についてのありがたい話を聞いたり、経験としては濃く思い出に残りました。
モンテネグロで印象に残った街や場所
モンテネグロの観光地、正直言って印象は薄いです。
たぶん、クロアチアから来てしまったせいだと思うけど、やっぱり見どころや街の規模は劣って見えちゃうよね。
そんな中でも、面白かった場所を2つチョイス。
ウルツィニ

ウルツィニ
アルバニアとの国境にある、モンテネグロ南端の街。
オスマントルコの支配下で多くのモスクが建てられたため、イスラムの雰囲気が色濃く残る場所です。
この街の何が面白かったって、旧市街がまるで廃墟リゾートだったことだよね。
たぶんオフシーズンだったからなんだけど……レストランは全て閉まっているし、窓が割れていたり壁にヒビが入った建物も多いし、どことなく漂う寂れた感じがたまらなく良かった。
廃墟が好きな人、寂れた街が好きな人は、オフシーズンのウルツィニを気に入ると思います。
≫ ウルツィニの旅行記:【Day109】モンテネグロ最南端の街ウルツィニへ!廃れたリゾート感と懐かしいイスラムの香り
オストログ修道院

オストログ修道院
ポドゴリツァから30kmほど離れた山の中にある、セルビア正教会の修道院。
モンテネグロ最大の聖地で、この修道院を目当てにモンテネグロを訪れる巡礼者も多いのだとか。
駅から1時間以上の山道・階段登りをしなければならないので、ちょっと行くのが大変なんだけどね。登り終えた先にある、崖に埋め込まれたようにそびえ立つ修道院の姿は圧巻。
教会巡りや宗教に興味がある人は、MUSTで訪れるべきスポットです。
≫ オストログ修道院の旅行記:【Day107】オストログ修道院に日帰りで行ってきた!インド人のおじちゃんから生き方を学ぶ
モンテネグロの物価について

ツェティニェで購入したパン
「モンテネグロは物価が安い」と聞いていたけど……昨今の円安やユーロ圏だということもあって、そんなに安いとは思わなかった。むしろ高く感じたかも!
スーパーの物価は、クロアチアとほぼ同じ。周辺国からの輸入品が多く、品物によってはクロアチアよりも高かった印象。
野菜が高く感じたかな。カット野菜が1袋€2.5(=約370円)でびっくりしちゃった。しかも、モンテネグロの野菜は痛むのが早くて、すぐにダメになるし。
その代わり、パン屋さんなどで買う惣菜パンやブレクなどがとても安かったです。
モンテネグロは、下手にスーパーに買ったもので自炊するよりも、パン屋やローカル食堂を利用したほうが食費を抑えられるかも、と思いました。
物価の目安
【スーパーにて】
水(1.5L)…€0.6〜0.9(=約90〜135円)
バナナ1kg…€1.99(=約300円)
カット野菜…€1.5〜2.5(=約224〜370円)
パン500g…€1前後(=約150円)
菓子パン・惣菜パン…€0.5〜1.5(=約75〜225円)
モンテネグロの治安について

ポドゴリツァ
街を歩いてみた感じ、治安が悪い印象はありませんでした。
というか、そもそも街を歩いている人が少ない! 首都のポドゴリツァでさえ、昼間でも人が少なくて閑散としていたので。
怪しい変な人も、ほとんど見かけなかったよ。バスターミナルや駅などの治安も、私が訪れた限りは悪くなかったです。
モンテネグロのバスターミナルに関しては、バスチケットを見せないと入場できない仕組みになっているので、イタリアやフランスなどの西ヨーロッパよりも安心できると思いました。
特筆すべきことがあるとしたら……コトル以外の街では、アジア人は少し目立つかもしれません。女性一人なら、なおさら。
でも、モンテネグロでは差別用語や「ニーハオ」などの声をかけられることは、ほとんどなかったです。他のバルカン半島諸国に比べたら、モンテネグロの人々の民度は高いなという印象を抱きました。
あと、街に野犬が歩いているので、犬には気をつけてね。
街間の移動について
オストログ修道院に行く時のみ、列車を利用。他は、すべてバスで移動しました。
モンテネグロはバス網が発達していて、主要都市(コトル、ブドヴァ、ポドゴリツァ)を結ぶバスの本数は多く、距離も近いので、街間の移動は楽ちんです。
バス

モンテネグロのバス
モンテネグロ国内のバスは、BusTicket4.meというウェブサイトで時刻表を確認できます。
このサイトでバスチケットの予約もできますが……ポドゴリツァの宿の人から、「バスチケットはバスターミナルの窓口で直接買いなさい。ネット予約して当日バスターミナルに行っても、予約したチケットを受け付けてくれなくて、二重にチケット代を払わされることがあるから」という話を聞きました。
なので、私は時刻表だけウェブサイトで調べ、チケットはバスターミナルの窓口で直接購入していました。
主要都市を結ぶバスの本数はそれなりに多いので、オフシーズンは予約しなくても大丈夫。コトル − モスタル間の国境越えバスだけ、念のため前日に予約しておきました。

モンテネグロのバスチケット
チケットを購入したら、プラットホームの入り口に立っている係の人にチケットを見せて入場します。
指定のプラットホームに行って、バスに乗車すればOK。バスには行き先が書かれているので、迷うことはほぼありません。
荷物を預ける場合は、別途€1かかります。荷物を預ける時に、直接1€を渡しましょう。
列車

モンテネグロの列車
私は、ポドゴリツァからオストログ修道院に行く時に、往復で利用しました。
時刻表はモンテネグロ国鉄のウェブサイトで調べ、チケットは当日に駅で買いました。
オストログ駅などの小さい駅ではチケット売り場がないので、出発駅で往復で買っておくとスムーズ。もしくは、列車の中で車掌さんからも購入できます。
ポドゴリツァ駅では、駅構内やプラットホームに電光掲示板がないため、列車を自力で探すのは大変かも。私は、駅員さんにチケットを見せて、どの列車か確認してから乗りました。
私が乗った列車は、行きも帰りも時刻表通りでした。
モンテネグロの食事について
今までの西ヨーロッパに引き続き、サンドウィッチ生活をしようと思ったけど……野菜が高すぎて断念しました。
スーパーで値段がついていない袋入りのカット野菜を見つけて、どうせたいした値段じゃないだろうと思って買ったら、なんと1袋€2.5。高すぎて爆死。
そして、野菜自体があまり新鮮じゃなかったな。カット野菜は痛むのが早いし。棚に並んでいた玉ねぎも、形がいびつだったしね。野菜が封じられてしまったので、何を食べるかしばらく迷いました。
結局、最終的にはスープとパンという形に落ち着いたけどね。
パン屋さんのパンやブレクが安かったので、無闇に自炊はせずに、外で購入したものを食べたほうが食費を抑えられるかもしれません。

コトルのレストランで食べたバーベキュープレート(€10)
あと、コトルで食べたバーベキュープレートがうまかった。
€10と少し高級だったけどね。肉が3種類に、サラダやポテト、ヨーグルトもついてきて、ボリューム満点で大満足。
バルカン半島は肉料理が多く、とても美味しいです。西ヨーロッパに比べると肉料理を安く食べられるので、ぜひトライしてみてください。
モンテネグロの宿について
私は、全てホステルに宿泊しました。
モンテネグロの安宿は、基本的に設備が古かったです。シャワー室は暗いし、蛇口やトイレも古めかしくて。シャワー浴びるの嫌だな、と思った宿もありました。まぁ、浴びちゃえばお湯は温かいし、全然気にならないんだけどね。
清潔さを重視する方は、ホステルではなくホテルのほうが良いかも。
コトルの宿は人にお勧めできる満足度だったので、情報を書いておきます。
コトル:Hostel Pupa

Hostel Pupa(クソみたいな写真でスミマセン)
1泊の料金:€15(=約2,200円)
バスターミナルと旧市街の間にあり、立地良し。ホステルも綺麗で、ベッドにはライトやカーテンがあってプライバシーの確保も◎。
キッチンもあり、バスルームの数も多く、男女で分かれているも良かったです。
ただ、客層は若めかも。若い子たちが、夜遅くまで飲み会していました。
その他、所感や気づきなど
様々な宗教に触れられる

ツェティニェ
モンテネグロに限らず、バルカン半島のほとんどの国に共通して言えることですが……正教会、ローマ・カトリック、イスラム教、様々な宗教に触れられたことが、とても新鮮で面白かったな。
コトルでは、正教会とカトリックの教会が旧市街に混在していて、双方の教会の違いを比較できたのが良かった。南のウルツィニではモスクが立ち並び、イスラム圏の雰囲気を味わうことができた。
同じ国にいながら、様々な宗教文化の一端をのぞけるのは、モンテネグロをはじめとするバルカン半島の最大の魅力だと思います。
統一感のない街並みを楽しもう

ウルツィニ
モンテネグロの街は、どこも色々な建物が混在していて、統一感のない街並みだなぁと思いました。
三角屋根のヨーロッパ風の住宅が立ち並ぶ横に、ユーゴスラビア時代を彷彿とさせるような四角いコンクリートのアパートが立っていたり。高級そうなリゾートホテルやレストランが立ち並ぶすぐ脇に、骨組みだけの廃墟ビルがあったり。
西ヨーロッパと比べると、モンテネグロの街並みはとても雑多。なんともアンバランスな雰囲気を味わえるのが、モンテネグロの街歩きの魅力です。
観光地としての見どころはイマイチ
モンテネグロ旅行、観光が面白かったかと言われると、正直微妙。
お隣に観光大国クロアチアがあるので、クロアチアの次に期待値を上げてモンテネグロを訪れると、「こんなものか……」と拍子抜けしてしまうと思います。
セルビア正教会の修道院や聖堂巡りをしたいなら、モンテネグロよりもセルビアやコソボをおすすめするし、オスマントルコ風の街並みを楽しみたいなら、ボスニア・ヘルツェゴビナを薦めるしね。
全ての国をコンプリートしたいなど、特にこだわる方以外は別にスキップしても良い国かもなぁ……とは思っちゃいました。
出会いが多かったモンテネグロ
モンテネグロ旅行、観光地としては微妙と言わざるを得ませんが……新鮮な出会いが多かったことが、何よりも大きな収穫でした。
新鮮というのは、良い出会いも、モヤっとした出会いも含めて。色々と学ぶことが多かったのよね。
普段は人付き合いは最低限にして観光ばかりしている私だけど、人との出会いも強く記憶に残るんだなぁと実感。
経験としてはとても面白かったので、モンテネグロに行って良かった!
以上、モンテネグロ旅行のメモと所感でした!
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