世界放浪記 スロベニア

【Day89】世界遺産のイドリヤ水銀鉱山を見学!坑道ツアーに参加してみた

2023年4月19日

 

*****2023.3.11(土)*****

 

今日は、日本人にとって忘れることができない3.11。

東日本大震災から、もう12年も経ったんだ。

2011年というのは、私の人生の中でも一つの節目の年だったから、この年の出来事は特に記憶に残っている。

毎年この日がやってくる度に、自分も老いたなぁと感じてしまうんだよな。

 

 

地図

Google Maps より

今日は、イドリヤ(イドリア/Idrija)という街に行ってみます。

世界遺産に登録されている、水銀鉱山がある場所です。

 

イドリヤ観光については、他の方々のブログを漁りつつ情報を探したんだけど……

定番観光地ではないからか、あまり詳しいことが分からなかったのよね。

なので、今日は色々と手探り状態。頑張って行くよ!

 

 

リュブリャナ

今日も、リュブリャナバスターミナルからスタート。

8:10発のイドリヤ行きバスに乗ります。

 

リュブリャナ

チケットは、バスターミナルの受付で購入。

なんと、€2.2(=約310円)で激安! 土日なので、休日料金らしいです。

ラッキー!と思ったんだけど……ん? ちょっと待って?

 

レシートの明細に書いてある、€0.6って何の費用なんだろう?

気になって、翻訳かけてみたら……

 

リュブリャナ

”ステーションサービス”。つまり、バスターミナルに払う手数料ってことよね?

あれ、もしかして……バスチケットは、バスの運転手から直接買ったほうがお得ってこと?

 

私はここでようやく気づいたのですが、バスチケットはバス車内で購入したほうが安いです。バスターミナルに払う手数料がかからないので。

どおりでスロベニアの人たちは皆、バスに乗る時にお金を支払っていたんだなぁと納得。

これも旅を通じての経験だけど、現地の人たちの真似をすると、少しだけ得することがあるよね。

 

イドリヤ

1時間20分ほどで、イドリヤのバスターミナルに到着。

イドリヤへの行き方と観光については、別記事で詳しくまとめておきます。

 

 

 

水銀鉱山と織物で知られる街、イドリヤ。この地がハプスブルク家スペインの領地だった1490年に、水銀が発見された。アメリカ大陸のスペイン植民地で銀鉱山が発見され、銀精錬に不可欠な水銀の需要が増していき、イドリヤは新旧大陸間の交易中心地となった。現在は、毒性の強い水銀の使用が禁止される方向にあり、世界遺産に登録されているイドリヤの鉱山資産は、消えゆく技術や産業文化を今に伝えている。

(参考文献:すべてがわかる世界遺産大事典)

 

 

イドリヤ

イドリヤに来たからには、まずは水銀鉱山を見なければ!

というわけで、Anthony's Shaft Mining Museumへやってきた。

10時からの坑道ツアーに参加します。HG Smelting plantという施設との共通券で、€21(=約2,960円)。

 

イドリヤ

10時前になると、子供たちの団体さんでごった返し始める。とても賑やか。

 

最初に施設の入り口にある広い部屋で、約15分の映像を見た。

この施設やイドリヤの街に関する歴史解説のムービーで、イドリヤについての概要をざくっと知ることができる。

その後、ガイドさんの案内によって、いくつかのツアーグループに分かれることになるのだが……

 

この日、英語ツアーを希望したのは私一人。ほかの見学者たちは、全員スロベニア人だった。

というわけで、英語のオーディオガイドを借り、スロベニア語のガイドツアーに参加することに。

おかしいな、土曜日なのに。他の外国人観光客たちは、イドリヤまで来ないのだろうか?

 

イドリヤ

私が参加したツアーの人数は、十数人。スロベニア人ファミリー4家族+私だった。

子供たちに、物珍しそうな目で見られました。

 

ツアーが始まる時に、一人一人にヘルメットジャケットが貸し出されます。

ヘルメットはMUST、ジャケットは任意。

私はすでにたくさん着込んでいたから、ジャケットは借りなかったけど……絶対に借りるべき!

坑道内は着込んでいても寒かったのと、ところどころで上から水滴がポタポタ落ちてくる場所もあるのよね。自分の服を濡らさずに済むので、ジャケットは遠慮なく借りることをおすすめします。

 

ガイドさんが一人一人に合うヘルメットを選んで装着してくれるので、指示に従えばOK。

一人ずつヘルメットを合わせるので、けっこう時間がかかります。

ハイシーズンは、もっと時間がかかるかも。

 

イドリヤ

イドリヤ

ガイドさんに導かれながら、坑道を進んでいく。

 

イドリヤ

入り口に近い場所に、教会があった。

これから地下深くに潜って作業を開始する坑夫たちが、仕事の無事を祈ったんだって。

 

イドリヤ

イドリヤ

こんな感じで、坑道で実際に採掘が行われていた当時の様子が、マネキン人形で再現されている。

当時は、マスクしてなかったんだね。そもそも、水銀が見つかった頃は、水銀の危険性なんて誰も知らなかったか。

 

イドリヤ

イドリヤ

ガイドのお姉さん、とても感じの良い方だった。

私は英語のオーディオガイドを聞いていたし、ツアーはスロベニア語だったから、お姉さんが何を喋っていたのかは分からなかったけど……

子供たちに積極的に質問していて、施設に興味を持ってもらおうとしているのが伝わってきた。みんな、楽しそうだったなぁ。

 

イドリヤ

イドリヤ

この回転台?で、トロッコの向きを変えたらしい。

 

イドリヤ

イドリヤ

ボーリング調査の設備。

 

イドリヤ

イドリヤ

個人的に一番面白いなぁと思ったのが、鉱石を地上まで運ぶ仕組み

写真の図のように、坑道は何層にも分かれている。鉱石を下の層に落とし、さらに下の層に落とし……と繰り返し、鉱石を最下層に集めてから、一気にシャフトで地上まで運んでいたっぽい。

なるほど、賢いな。

 

イドリヤ

ツアーは、1時間45分で終了。

 

最後に、ガイドのお姉さんが個別に話しかけてきてくれた。

外国人参加者が私だけだったことを気にしていたのか、「大丈夫だった? ツアー、長くなかった?」と、最後まで気遣ってくれました。

「日本人」って告げたら、「はるばる遠いところから来てくれて、ありがとう」だってさ。ちょっとした一言だけど、嬉しくなっちゃうな。

 

 

イドリヤ

ここからは、イドリヤの街を観光します。

 

イドリヤ

イドリヤ

街中にある噴水も、鉱山仕様。

 

イドリヤ

イドリヤ

Grad Gewerkneggという名前の城。

水銀を保管しておく貯蔵庫として使われていたこともあるみたい。

今は博物館になっている。私は入らなかったけど。

 

イドリヤ

イドリヤ

城の前の通りはMarcury Routeと呼ばれ、イドリヤの各坑道から掘り出した水銀を城の中の貯蔵庫まで運ぶために使われた道らしい。

 

イドリヤ

学校の建物にも、鉱山のマーク。

 

イドリヤ

1898年に建てられた、市庁舎(Town Hall)

 

イドリヤ

Cerkev sv. Trojice(Church of the Holy Trinity)という名前の教会。

イドリヤで最も古い教会。この場所で、1490年に初めて水銀が見つかったんだって。

 

イドリヤ

教会は、閉まってて入れなかった。

 

イドリヤ

Francis' Shaftという名前のシャフト。

イドリヤの街を歩いていると、こうしたシャフトがよく目に留まる。

 

イドリヤ

鉱夫の家(Miner's House)

18世紀の住宅で、これがイドリヤの鉱山で働く人々の典型的な家らしい。

階数が多くて背が高く、窓が多いのが特徴だそう。こうした家に数世帯が共同生活していたみたい。

 

イドリヤ

イドリヤ

イドリヤの街中を流れる川を渡り、対岸へ。

 

イドリヤ

鉱夫の道(Miners' Street)

この通りが、1872年以降に鉱夫たちの住宅が建てられたエリアらしい。

Multi-storeyと呼ばれる構造?で建てられたっぽいんだけど、説明読んでも正直よくわからんかった。

イドリヤについては、日本語の情報が少ないから、英語で情報を集めるしかないんだけど……専門用語は難しいっすわ。

 

イドリヤ

裏から見ると、同じ形の家が坂道にきれいに並んでいるのがわかる。

 

 

イドリヤ

Hg Smelting Plantに到着!

鉱石から水銀を取り出して、精錬していた施設。

ここは、1880年から1995年まで稼働していたらしい。今は、博物館になっている。

 

イドリヤ

イドリヤ

バカでかい設備が、今も残されている。

こういう産業施設を見るのが好きなので、ワクワク。

 

イドリヤ

Anthony's Shaft Mining Museumとの共通券で、中を見学してみる。

博物館はツアーもあるみたいだけど、別に参加しなくても、施設内は自由に見学できました。

 

イドリヤ

展示は、水銀についての説明から始まる。

水銀の発見から始まる歴史、性質や用途など……内容は、まるで科学博物館。

 

イドリヤ

イドリヤ

イドリヤ

水銀といえば、やっぱり思い浮かべるのは温度計だよね。

 

イドリヤ

左が水銀、右が水。

表面張力って言うんだっけ? 水銀はConvexで、水はConcave。

化学で習ったような気がしなくもないけど、全然覚えてないや。

 

イドリヤ

水銀の毒性についても、解説されている。

 

イドリヤ

水銀って、地中海周辺で多く採れるのか。知らんかった。

水銀だけじゃないと思うけど、鉱石が採れる場所は地球上のプレートと密接な関係があるんだな。

 

イドリヤ

水銀の物質についての展示のあとは、精錬についての展示

 

イドリヤ

イドリヤ

水銀の精錬方法の発展について、詳しく解説されていた。

 

イドリヤ

イドリヤ

この筒みたいなものに入れて、水銀取引をしていたらしい。

 

イドリヤ

展示の奥にあるトンネルを進むと……

 

イドリヤ

精錬に使われていたのであろう、大きな設備や機械があった。

 

イドリヤ

イドリヤ

説明書きが一切なくて、なんの設備なのか全く分からなかった。

たぶん、このエリアはガイドツアーに参加して、解説を聞くのが良いんだろうなぁ。

 

イドリヤ

この設備、かなり高低差があった。

上から鉱石を流し入れて、粉砕したり分別したりしたんだろうね。

 

イドリヤ

イドリヤ

イドリヤ

この精錬施設はほんの一部で、一連の工場はこんなにデカいのか。

 

イドリヤ

イドリヤ

見学路の階段があるこの空間って、おそらく鉱石などを上から流し入れていた場所だよね。

 

イドリヤ

正直、あまりよく理解はできなかったけど……普段はこんな設備見れないので、貴重な経験になった。

 

 

イドリヤ

イドリヤ

豊かな山々に囲まれ、川が流れ、狭い土地に家々が立ち並んでいる。

 

似たような景観を、日本でも見たことがある。どこ、とは言わないけどさ。

これ言うと、特定されるかもしれないけど……前職が鉱山や精錬ゆかりの会社だったので、実は日本でも、こうした鉱山や精錬設備を見学したことがあったのよね。

なんだか、イドリヤに妙な縁を感じてしまう不思議。

 

イドリヤ

再び川を渡り、公園へ。

日曜日だから、大勢の家族連れで賑わっていた。

 

イドリヤ

イドリヤ

Kamštという名前の、水力ポンプ設備。

大量の木材が必要になったため、川や水力を利用して、木材の運搬をしていたんだって。

 

イドリヤ

イドリヤ

この辺は、子供たちの遊び場になっていた。

 

イドリヤ

Joseph's Shaft。逆光すぎるな。

 

イドリヤ

イドリヤ

イドリヤ、のどかで落ち着いた街で気に入った。

何より、観光客が少なかったのが◎。

 

イドリヤ

街を1周したので、イドリヤのバスターミナルに戻ってきたよ。

リュブリャナ行きバスに乗って、帰りました。

 

イドリヤ

イドリヤのバスターミナルにはチケット売り場がなかったので、バスで支払い。

€1.6だったので、やっぱりバスの中で買ったほうが安いね。

 

 

明日は、ブレッド湖に行ってみます。

 

 

※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。

 

 

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