*****2023.1.23(月)*****
今日は、シントラ方面を日帰りで観光します。
目標は、シントラの3つの宮殿と王宮、ロカ岬、そしてカスカイスを1日で巡ること。
ただし、シントラはポルトガル屈指の人気観光地らしく、かなり混雑らしい。
果たして、この目標を達成することができるのか……?
朝7時すぎ、ロシオ駅(Rossio)。
とにかく朝一で行動すれば、何とかなる! ということで、暗いうちから出発します。
シントラ・カスカイス方面の電車とバスが1日乗り放題になる“train and bus”というチケットを購入しようとしたのだが……なぜか券売機で買えない。
窓口で聞いてみると、“train and bus”のチケットは今は一時的に扱っていないのだという。早くも出鼻をくじかれて、意気消沈。
じゃあ、「シントラまでのチケット下さい」って言ったら、「往復の方が安いよ」って教えてくれた。帰りはカスカイス→シントラ間で利用してもOKみたいなので、往復で購入。(€6=約850円)
チケットをかざして改札を通り抜け、指定のプラットホームからシントラ行きの電車に乗ります。
車内はガラガラ。さすがに、早過ぎたか。
通勤時間帯なので、反対側のリスボン行きは混雑してたけどね。
7:41に出発した電車は、8時半に到着。
深い緑に覆われた山中に、王宮を中心として城館や貴族の別荘が点在する。かつてイギリスの詩人バイロンが「この世のエデン」とたたえた美しい景観は、世界遺産にも登録されている。現在では国内でも有数の観光地となっているシントラは、リスボンからのエクスカーションに絶好だ。
(参考文献:地球の歩き方)
ペーナ宮殿行きのバス(434番)があったので、飛び乗った。
「片道で」ってお願いしたのに、「Be smart!」って言われて、€11(=約1,150円)の1日乗り放題券を買わされました。
途中歩くだろうし、元取れないと思ってシントラカード買うのやめたのに。
多分、日中のバスの混雑を避けるために、1日券を薦めてるんだろうね。
発車を待っていると、隣の席に女性が座ってきた。
某旅行会社のバッジをカバンにつけて、笹かまぼこの包装紙でカバーしたガイドブックを握りしめた、ツッコミどころ満載のおばさまだった。
どうしてもこらえきれず、「あのー、日本人ですか?」と声をかけてみると……
おばさま「ええ、そうです。わかりました?」
分かるに決まってんだろ。どっからどうみても日本人にしか見えません!
日本人は海外では目立つって言われるけど、こういうことなんだなって悟ったよ。
仮に、名前をA子さんとしておきましょう。
大阪出身で、コテコテの関西弁を話す方でした。
どうやら彼女は、某旅行会社の日本発でポルトガルを巡るツアーに参加中らしい。
ツアーに組み込まれていなかったシントラにどうしても行きたいということで、1日だけツアーを抜け出して一人行動しているのだという。
(ポルトガルのツアーでシントラに行かないってのも、珍しいよね)
私が日本人だと分かった瞬間、ここぞとばかりにバスの乗り方を確認されました。
どうやら、A子さんもロカ岬まで行くみたい。午後3時ごろに彼女のツアー団体もロカ岬を訪れるみたいなので、上手くいけばそこでツアーに再合流したいのだそう。
会話していてなんとなく分かりましたが、A子さんは英語があまり得意ではなさそうな雰囲気。リスボンからシントラ行きの電車に乗るのも一苦労だったという。
ここで、私のお節介が発動してしまいました。
「だいぶ年上の方だし、失礼にならないかな。余計なお世話にならないかな……」と心の中で葛藤しつつ、おそるおそる提案する。
私「もし嫌じゃなかったらで良いんですけど、一緒にシントラ観光して、ロカ岬まで行きませんか?」
A子さん「ぜひ。そうしてくれると、助かります」
というわけで、今日は急遽、A子さんと二人で旅することになりました。
実は久々に日本語を喋れて、私も少し嬉しかったのよね。
A子さんに快諾してもらえて、ほっと安心。
ペーナ宮殿行きのバス、なかなか発車しませんでした。
結局、ペーナ宮殿の入り口に着いたのは9時半。
ペーナ宮殿のチケットだけは、ウェブサイトで事前に予約しておきました。(€13.3=約1,880円)
入り口からペーナ宮殿までは少し距離があるので、庭園内を歩きます。
宮殿は山の上にあるので、けっこうな坂道を登る。
カラフルな城の壁が見えてきた!
なんか、メルヘン。某ネズミの国みたいだな。
時刻は9:45。私は9時半の入場、A子さんは10時の入場指定だったが……
係の人に相談したら、「一緒に入りな」って通してくれました。こういう時に臨機応変に対応してくれるあたり、さすが観光大国ポルトガルだな。
中に入れたは良いものの……激混み。
団体客のグループが道を塞いでいて、全然先に進まん。
かの有名なノイシュバンシュタイン城の建築を命じた、ドイツのフリードリヒ2世。
そのいとこにあたるフェルディナント2世が、ペーナ宮殿の建造を命じたらしい。
ドイツから建築家を呼び寄せ、1885年に完成した。
通路は狭いし、人が多いし、ろくに写真を撮れなかった。
人の多い観光地、やっぱ苦手だわ。
山の上だから、眺めが良い。大西洋まで見渡せる。
窓枠や門の装飾がすごい。サンゴや貝殻がモチーフになっている。
歴史的な価値があるというよりは、建築を楽しむって感じだね。
ペーナ宮殿前のバス停から、再び434番のバスに乗り込みます。
貸し切りだったので、運転手さんが「どこまで行きたい?」って尋ねてくれた。
「レガレイラ宮殿に行くよ」って言ったら、今は道路が工事中でレガレイラ宮殿までのバスが動いていないことを教えてくれた。
レガレイラ宮殿までは、王宮から歩いていくしかないみたい。
というわけで、王宮前でバスを下車し、歩いてレガレイラ宮殿に向かいます。
このあたりの路地、可愛かったわ。
見えてきた。雰囲気満点、わくわく。
チケットは、€11(=約1,550円)。
レガレイラ宮殿は、巷では”ドラクエの城”と呼ばれているらしい。
あの塔のてっぺんに、コレクレーいそう。
地下に繋がる螺旋階段があった。深いし、暗い。
螺旋階段を下ると、洞窟に繋がっている。
確かに、これはゲームの世界だわ。
本当に、冒険してるみたい。
A子さんも、レガレイラ宮殿を一番楽しみにしていたらしい。一緒に大興奮。
塔の上に登ってみる。
ペーナ宮殿、あんな高い場所にあったんだ。
あっちは、ムーアの城跡。
今回は行かなかったけど、ムーアの城跡もシントラの見所のひとつ。
ダンジョンっぽい。ボスいそう。
城の中は、展示が充実。
多分、この城を所有していた貴族に関する説明だと思う。
でっかいドアノッカー。
RPGの世界を探検しているみたいで、面白かった。
続いて、王宮へ。(€10=約1,410円)
イスラム教徒が残した建物をディニス王(1279‐1325)が居城とし、のちの14世紀にはジョアン1世(1385-1433)が増改築を行なった。
シンボルとなっている2本の煙突は、ジョアン1世の頃に造られたものらしい。
このタイル装飾も可愛いね。
天井に大量のカササギ(Magpies)が描かれているんだけど、この絵の意味は不明らしい。
この王宮では、アズレージョとは違い、カラフルで凹凸のあるタイルが多く使われている。
今度は、帆船が描かれた天井。
各部屋に様々なテーマの天井画が描かれていて、面白い。
紋章の間。
壁一面のアズレージョと、天井に大量に並べられた絵が見応えある。
アズレージョには、狩猟の光景が描かれている。
やっぱり、鳥。
雄鶏(ニワトリ)は、とある奇跡が起きた話が伝わっていて、”幸運を呼ぶ雄鶏”として親しまれているけれど……
ほかの鳥も、ポルトガルでは何か深い意味があるのかな? 調べても、よく分かりませんでした。
※幸運を呼ぶ雄鳥…ポルトガルのバルセロスという街で、冤罪で捕らえられた旅人が食卓に置かれた鶏の丸焼きを見て、「私は間違いなく無実だ。その証拠に、この鶏が起き上がって鳴くだろう」と主張した。絞首台に連れて行かれ、いよいよ処刑されるという場面で、鶏の丸焼きが本当に起き上がって鳴いた、という伝説にちなむ。ニワトリの置物は、ポルトガルの土産屋でよく見かける。
外から見える2本の煙突は、キッチンのものだった。
ペーナ宮殿、レガレイラ宮殿、王宮。シントラで見たかった3つの名所を、無事に攻略完了!
ここまで、休憩なしで観光を続けている。普段の私は昼食を抜いて行動するので、へっちゃら。
でも、さすがに今日ばかりはA子さんをランチに誘うべきだよな、と提案してみるも……
A子さん「このまま、ロカ岬に行きましょう! ツアーとの合流を逃すより、ロカ岬でゆっくりした方が良いわ」
やっぱり、そう思うよね! ということで、このまま休憩せずにロカ岬まで行くことに。
私の観光のペースは早いだろうな、と心配していたけれど……A子さんは、ちゃんとついて来てくれている。
歩くペースや行きたい場所、見たい場所の感性が合う方で、本当によかった!
(もしかしたらA子さん、無理して私に合わせてくれていたのかもしれないけどね。爆速観光してスミマセンでした)
シントラ駅まで歩いていくと、ちょうどバス停にロカ岬行きのバスがいたので、飛び乗りました。
朝買った1日乗り放題のバスチケットも、ちゃんと使えました。
バスは30分ほどで、ロカ岬に到着。
おおお、すごい。これがユーラシア大陸の西の果て!
この日は雲のない快晴で、風も穏やか。
最高に気持ちがいい!
崖際まで降りている人がいるけれど、私は足を滑らせて死にたくないので、遠慮しておきます。
冬でも緑が青々としていて、花が咲いている。
ポルトガルが温暖な証拠だわ。
ここまで足を延ばしてよかった。最高!
ちなみに、金を払えば”最西端到達証明書”なるものを発行してもらえるらしいですが、今回はパス。
いつか、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼をして、その帰りに立ち寄ったら証明書を発行してもらうんだから……!
A子さんのツアーご一行がやってくるまで時間があったので、近くにあったカフェで一緒にお茶しました。
今日のお礼に、とご馳走になってしまったよ。本当に、ありがとうございました。
この後、無事にA子さんのツアーもロカ岬へやってきて、彼女のツアー再合流を見届けることができました。
特にトラブルもなく、初めて訪れた地で人気観光スポット3つを巡り、時間通りにロカ岬まで送り届けるという、我ながら完璧なアテンドをこなしたと思うわ。
でも実際は、余計なお節介かもな、と内心ドキドキしていたのよね。
だから、A子さんに「一人じゃロカ岬までたどり着けなかったから、本当に助かった!」と言っていただいて、私も嬉しかった。
旅行中は、私も人に助けられてばっかだからね。私も自分のできる範囲で、皆さまのお力になって恩を返していきたいと思います。
というわけで、私は次の目的地、カスカイス行きのバスを待つのだが……待てど待てども、マジで来ない!
バスは来るんだけど、なぜか全部シントラ行きなわけよ。
あっという間に、1時間が経過。
バス停は屋外でクッソ寒いので、カスカイスに行くのは諦めました。
やってきたシントラ行きに乗ろうと、朝購入した乗り放題券を見せるも……
運転手さん「それは、このバスじゃ使えない。会社が違うからね。小さい方のバスに乗りなさい」
それは、聞いてないわ。
どうやら、シントラ−ロカ岬−カスカイスを繋ぐバス路線は、2種類のバス会社が運行しているらしい。私が持っていたバスチケットでは、小さいバスの運行会社の路線しか乗り放題にならないのだそう。
仕方なく次にやってきた、バンのような小さいタイプのバスに乗り込んで、シントラへ帰りました。
シントラでバスの乗り放題券を買ってロカ岬まで行かれる方は、ご注意ください。
結局、シントラ駅まで戻った私は、行きと同じ電車を利用してリスボンのロシオ駅まで戻りましたとさ。
ロカ岬でバスを待ったの、A子さんと別れてからで本当に良かったわ。
私は1時間待つことなんて、ザラだからいいんだけどさ。
A子さんはせっかく高いツアーでストレスフリーな旅をしているのに、外で1時間も待たせてたら申し訳なさすぎて発狂するところだった。それで海外旅行に対してネガティブなイメージをもたれても困るしね。
一人になってからで良かった、と心から安堵する私でした。
明日はレイリアへの移動とファティマ観光です!
※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。
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【Day43】リスボンからレイリアへバス移動。カトリックの聖地ファティマを訪れる!
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