*****2022.12.22(木)*****
今日から、2泊3日のサハラ砂漠ツアーに参加します。
マラケシュ発、途中で世界遺産のアイット・ベン・ハドゥや映画スタジオがあるワルザザート、トドラ渓谷などに立ち寄りながら、サハラ砂漠の入り口メルズーガまで行くツアーです。
サハラ砂漠のキャンプで1泊した後は、そのままフェズに抜けます。
マラケシュのジャマ・エル・フナ広場にあったツアー会社で予約した現地ツアー、900DH(=約11,400円)。
果たして、ツアーは滞りなく進んでくれるのか……?
朝、7:20に宿のロビーに迎えがやってくるとのことだったが……
ピックアップの男性は、15分遅れでやってきた。
彼、めちゃくちゃ怒ってた。私の宿がメディナの細い路地の奥のほうにあるので車が入れない、とずっと文句垂らしてる。
なぜ怒られなきゃならん?と思いながらも、「朝から大変な思いをさせて、すまん」と謝った。
すると男は、「いや、お前が悪いんじゃないんだ。クレイジーなのはツアー会社のほうだ。まったくふざけやがって」と言いながらも、その後も永遠と愚痴を吐いていたよ。
少し歩き、旧市街の外で小さなバンに乗って、他のツアー客との合流地点まで行った。
案内されて、15人乗りくらいのバンに乗せられる。しかも、なぜか助手席に乗せられた。
助手席は2席あり、ドライバーの隣が私、そしてさらに隣に女性が乗ってくる。
彼女は、ウクライナ人のオクサナ。
今はスロヴァキアに住んでおり、大学で科学者として生物学の研究をしているのだという。
45日間の休暇を取り、モロッコへ旅行にやってきたのだそう。故郷のニュースを見ていると鬱になるから、嫌なことを忘れるために旅行をしているんだって。
せっかくウクライナ人に会ったし色々聞いてみたいとも思ったけど、自分から深く尋ねることは避けることにした。
オクサナはとてもエネルギッシュで、おしゃべり好きな女性。なんだか面白くなりそうな予感。
というわけで、私たちを乗せたバンが発車。
同じバンには、クロアチア人やイタリア人、UK住みのマレーシア人や中国人、さらにはモロッコ人まで、多国籍なメンバーが揃っている。
まずは前方に見えるアトラス山脈を超える。
モロッコには南北を分けるように3,000〜4,000m級のアトラス山脈が走っていて、北の肥沃な大地と南の砂漠との隔壁となっている。
山脈の途中。トイレ休憩で立ち寄った場所。
地形がすごい。鉤爪みたいに、小さな谷?がたくさん刻まれている。
ドライバーの運転が上手くて、山道だけど思っていたほど揺れなかった。
山を越えると、景色が一面の荒野に変わった。
世界遺産アイット・ベン・ハドゥに到着。
要塞化された小さな村で、今も実際にベルベル人という民族が数家族だけ、ここで暮らしている。
ベルベル人というのは、北アフリカ(マグレブ)地域に古くから住む民族のことで、ベルベル語を話したり、独自の文化を営んでいる。
集落のそばには川が流れていて、ここを渡って村の中に入った。
この立派なゲートは、映画撮影のために使われたんだって。
ちなみに、アイット・ベン・ハドゥは映画やドラマのロケ地としても有名。
ゲーム・オブ・スローンズのロケ地でもあるよ!
集落を登っていく。
あたり一面の荒野なんだけど、このあたりだけは緑が豊か。これも、アトラス山脈から流れてくる川のおかげなんだって。
コロナで観光客が激減したけど、このあたりの人たちがなんとか食っていくことができたのは農業ができたからなのだそう。
ちなみにサハラ砂漠のほうは、キャラバン商売と観光で生計を立てているらしい。コロナのせいでキャラバン隊が国境を越えて来れなくなっちゃったから、観光も商売も深刻な打撃を受けて、本当に悲惨な数年間だったという。
私は、この現代においてもキャラバン隊商が存在していたことに驚いたよ。
頂上へ到着。階段キツかった。
遠くを見渡すと、何もない荒野が続いている。家が立ち並ぶのは、この一帯だけ。
この小さな川が、ここで暮らす人たちの生命線なんだと思い知らされる。
ゲーム・オブ・スローンズ以外にも、有名どころだとグラディエーターなどが撮影されたみたいです。
ベルベル民族の旗。青は水、緑は作物、黄色は砂漠を象徴している。
これは、ベルベル語の文字。ギリシャ語の影響を受けているらしい。
話は横道に逸れるけど……
個人的に、モロッコの言語事情は興味深いと思った。
モロッコで広く使われる公用語は、フランス語とアラビア語。学校では、その2言語に加えてベルベル語も学ぶのだという。
フランス語はラテン系、アラビア語は言わずもがな全く形態の異なる言語だし、言葉のつくりが異なる複数の言語をマスターしているモロッコ人を純粋に尊敬する。観光に携わる人は、さらに英語も話すわけだしね。
モロッコで日常生活をするだけで、国連公用語の2か国語をマスターできる。言語教育環境としては最強なんじゃないかと思うわけです。
昔、国連職員に憧れていた時期があるから、とても羨ましいよ。
アイット・ベン・ハドゥの観光後は、近くのレストランで昼食。
ケフタタジン。スープとデザートがついて、100DH(=約1,300円)。ツアー代には含まれていないので、自腹です。
砂漠ツアーで連れて行かれるレストランは大体場所が決まっていて、観光地価格に設定されています。なので、ありえんくらい高い。
昼飯を事前に購入しておいて、自分で持っていく人もいるみたいだけど……
私のツアーグループはみんなレストランに入っていったから、私もみんなと食べることにしたよ。
他のツアー客と仲良くなる絶好の機会だと思います。
モロッコでは広く食べられているハリラというスープ。
豆と短いパスタみたいなのが入っていて、かなりお気に入り。
これだけでお腹いっぱいになるし、健康にも良さそうだし、なにより普通に美味しい。
その後、ワルザザートという街に立ち寄り、遠くから映画スタジオを見た。(写真がわかりづらくて、すみません)
過去に映画の撮影が行われた場所を、映画村のように一般に公開して観光地化しているらしい。
バンはさらに進み、今度は”バラの谷”というところで休憩。ダデス渓谷の周辺だと思う。
5月になるとバラの花が咲くらしく、バラ祭りが行われるんだって。
道端にバラが植えてあるらしく、春になると道の両側がバラであふれるらしい。
この荒野でバラが咲き乱れるなんて、とても想像できないけどね。
日も暮れて、宿へ到着したのは夜8時近くでした。
私は一人で参加しているので、一人部屋が分け与えられるはずでしたが……
オクサナが「一緒に部屋をシェアしよう」と言うので、彼女と相部屋することに。
宿の夕飯。みんなでタジン鍋をつついて食べました。
夕食のあとは、パーティが始まった。
宿の人が、"ベルベルミュージック"だと言って太鼓を叩き、めちゃくちゃ盛り上がってました。
私は長い移動で疲れすぎて早くベッドに入りたかったので、途中でお暇したけど。
たくさん移動して、濃く長い一日でした。
明日はいよいよ、サハラ砂漠へ向かいます。
※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。
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