*****2023.1.31(火)*****
早いもので、旅を始めてから50日が経過。
正直、旅を始めるにあたり最も恐れていたのが「旅に飽きてしまうのではないか」ということだったのだけれど……
今のところは飽きるどころか、「1日でもこの日々が長く続いてほしい」と願うほど、幸せを噛み締めている。
これからも、この貴重な日々を大事に過ごしていきたい。
朝4時50分、サラマンカ・バスターミナル着。
外を出歩けるような時間帯ではないので、人が活動する時刻までバスターミナルで待機するのだが……
サラマンカのバスターミナルは、とてもきれいだった。
誰もいないバスターミナルで、一人過ごす。
とはいっても、警備さんやバス会社の人たちが働いていたので、治安的に危ないとは思わなかったよ。
ただ……寒い! 寒すぎる!
7時ごろまでは、我慢してたんだけどね。
耐えきれず、近くのカフェテリアでコーヒーを注文。(€1.7=約240円)
でも、店内も寒過ぎて、コーヒー一杯じゃ全然暖まらず。
朝8時にはバスターミナルを脱出して、マヨール広場まで歩いてきました。
スタバが8時開店だったので、開店と同時に駆け込んだよ。
再び、コーヒーを注文。(€2.6=約370円)
ここのスタバ、店内が暖かくて天国だった。
店内は、学生さんが多かったな。みんな教科書広げてノートに書き込んだり、パソコンでエッセイ書いたりしてた。さすが、学生都市サラマンカですわ。
ちなみに、この日の朝8時の気温は−5℃でした。どおりで寒いわけだわ。
息がありえんくらい白かったもん。緯度的にはポルトと変わらないはずだけど、サラマンカにやってきてから、明らかに寒さが厳しくなったのを実感する。
サラマンカでこの寒さ……これからヨーロッパを北上するのに、私は乗り切れるのか?
ポルト→サラマンカの夜行便については、別記事で詳しくまとめました。興味のある方は、こちらの記事もどうぞ。
だいぶ日が高くなってきたので、宿に荷物を置いて観光へ向かいます。
1218年にスペイン最古のサラマンカ大学が創設され、ボローニャ、パリ、オックスフォードと並ぶヨーロッパ有数の大学都市として発展してきた。世界中から留学生が集まる街は活気にあふれ、学生時代を謳歌するトゥナ(学生の楽隊)の似合う若者の街。
(参考文献:地球の歩き方)
まずは、貝の家。
15世紀に建てられたゴシック様式の建物で、外壁に400ものホタテ貝の装飾が施されている。
この貝は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼のシンボル。
この建物はかつて、巡礼者を守る騎士団の家だったそう。
やっぱ、カミーノ関係の施設や看板に出会うと、巡礼したい欲が高まってしまう。
新旧カテドラルが見えてきた。でかい!
これは、ゴシック様式の新カテドラルのほう。
ファサードの彫刻は、プラテレスコ様式の傑作とされている。
フライング・バットレス(飛梁)が3段になっているのが、カッコいいわ。
こっちは旧カテドラル。12世紀に建造された、ロマネスク様式の聖堂。
歩いていたら、サラマンカ大学の中庭らしき場所に迷い込んだ。
サラマンカ大学の入り口。プラテレスコ様式の巨大なファサードがすごい。
この街にやってきたのは、もちろんサラマンカ大学を見学するため。
早速、入ってみる。(€10=約1,420円)
ちょっと暗いけど……Lecture Theatre。この部屋は、16世紀からほぼそのままの状態で残されているらしい。
机、細っそい。こんな不安定なところで、読み書きしてたのか。
そもそも16世紀って、ノートは存在してたのか?
Paraninfo (Great Hall)。卒業式とか、式典が行われた部屋。
部屋自体は19世紀に手が加えられているみたいなので、とてもきれい。
礼拝堂(Chapel)。赤いベルベットが、とても印象的。
この織物は、グラナダから取り寄せたものらしい。
サラマンカ大学、中は意外にも近代的で、特別古い施設が残っているというわけではなかった。
最後の部屋で見た映像は、完全にサラマンカ大学創立800周年の宣伝ビデオだったしね。まあ、冷静に考えて800周年ってとんでもないけども。
日本の上皇さまも、サラマンカ大学創立記念の式典に参加したらしい。
サラマンカの街の雰囲気、とても良い。
景観が茶色の砂岩で統一されていて、どこを歩いていても美しいのよ。
すでにたくさんの街を見てきたから、「街並みで驚くことなんて、もうないだろう」と思っていたのだが……
いまだに新しい街を訪れると、新たな発見がある。ヨーロッパ、本当にすごい。
カテドラルの前にあるこの建物も、サラマンカ大学の校舎。学生たちが出入りしていた。
Faculty of Philologyだから、文献学? 文学部みたいなものなのかな?
サン・エステバン修道院へ。チケット失くしちゃったので値段が分からないのですが、確か€5(=約710円)だったと思います。
1618年に完成したドミニコ会の修道院で、コロンブスはこの修道院に滞在しながらサラマンカ大学に通ったらしい。
※ドミニコ会…13世紀にスペインで創設された托鉢修道会。異端の取り締まり、改宗に熱心だった。
この入り口のファサードが凄かった。
アーチの部分に並んだ突起、こういうデザインは初めて見たわ。
入り口のファサードとは打って変わって、中はとても厳か。
2階には、写真撮影がNGな博物館もあった。
絵画や聖具などが置いてあったんだけど、16〜18世紀頃の古いものがゴロゴロあって驚いた。
英語の解説が無かったので、価値はよく分からなかったけど。
サン・エステバン修道院は、チェリゲラ様式発祥の地としても有名。
チェリゲラ様式が最初に試みられたのって、この主祭壇で合ってるのかな?
もっとゆっくり見たかったのですが……私の頭の中は、「寒い!」でいっぱいでした。
この修道院、ずっと日陰だし、室内も寒いし、マジで辛かった。
夜行明けで観光してるのもあるし、ずっと体が冷えたままだったからね。
これ以上観光を続けるのは無理と判断し、諦めて退散。
マヨール広場。チェリゲラ様式を広めたチェリゲラ兄弟の弟子たちが手掛け、スペインで最も美しい広場と言われる。
天気も良かったし、もっとちゃんと写真撮りたかったんだけど……
手袋してたのに、指が悴んで死にそうだった。
その後、普通に買い物をして、セーターとニット帽を買い足しました。
これで、寒さが少しでも和らぐことを祈るばかり……!
ちなみに、この日泊まったホステルには、サラマンカ大学の留学生が滞在していました。
ドイツからの留学生で、ちょうどセミスターが終わったらしく、明日実家に帰るのだそう。
みんなホステルではドイツ語で会話していて、夜遅くまでホステル前のバーで酒を飲んでいました。
やっぱり、学生の日常なんて世界共通よね。現役学生さんたちの日常を垣間見ることができて、少し嬉しかった。
学生たちに囲まれて泊まるの、ちょっと形見が狭かったけどね。
明日は、アビラに移動します!
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※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。