*****2022.12.14(水)*****
朝8:00。
さっそく観光を楽しむぞ!と意気込んで宿の部屋を出たが……まさかの、外が真っ暗。
それもそのはず、この時期のモロッコの日の出は8時半。(日の入りは18時半ごろ)
宿の朝食も8時からで、モロッコの朝はとても遅いことがわかった。
私は”朝一番に観光へ出かけて、夜は早く宿に戻る”という、完全に朝方タイプの人間。この国の生活スタイル、合わないかも。
早くも出鼻をくじかれた私は、朝食のパンを食べつつ日の出を待った。
9:00過ぎ。宿を出発。
さっそく、カサブランカの唯一の観光名所ともいえるハッサン2世モスクを目指す。
昨夜の車窓から見た景色はド田舎だったけど、さすがに宿がある周辺は建物が多く立ち並んでいた。
まずは、宿の近くに通っているトラムに乗車。
トラムは意外にも先進的で、先に駅のそばにある券売機でチケットを購入してから、改札を通ってホームへ向かう。(2wayで14DH=約180円)
15分間隔くらいでトラムがやってくるので、ドアのボタンを押して乗車。
駅には係の人が立っていて、乗り方を教えてくれた。
トラム内は混んでいたけれど、治安が悪い風には感じなかったかな。それなりに良い格好の服を着ていた人も多かったし。
まあ、改札すり抜けて無賃乗車している輩もいたけど。
国連広場でトラムを下車。
このあたりは”地球の歩き方”にも載っている観光の中心地のはずなんだけど……観光客が誰もいない。
朝の時間帯だからか、それともカサブランカを訪れる観光客自体が極端に少ないのか。行き交う人々は、現地の人たちばかり。
治安的な意味で、なんとなーく嫌な雰囲気を感じとる。
国連広場から目的地のハッサン2世モスクまでは、徒歩30分ほど。
ちょっと歩きたくないなぁ、とは思ったのですが……
海外のタクシーが嫌いだから乗りたくないのと、昼間だから気をつければ大丈夫と判断し、急ぎ足で歩いていくことに。
この城壁の向こう側がメディナ(旧市街)で、スークと呼ばれる商業地区が広がっています。
スークには足を踏み入れず、城壁沿いをずっと歩いていきました。
ちなみに、城壁の外からスークを覗いてみたけど、かなりディープな世界が広がっていた。
汚いし、匂いもキツい。とにかく混沌としてた。ヒジャブを被った女性たちが日常の買い物をしていて、まさに”地元民が生活するエリア”という感じ。
正直入りたくないと思ったし、ただの旅行者である私が気軽に入っちゃいけない場所だとも思った。
きっと、これが本当のモロッコの姿なのだろう。
でも、旅行初心者の私には、難易度があまりにも高すぎた。写真を撮る勇気も出なかったよ。
ビビりながら歩き続け、ようやくハッサン2世モスクに到着。
ハッサン2世モスクの前は、さすがに観光客で賑わっていました。
皆、観光バスから降りてくる。この街を個人で観光してるの、もしかして私だけ!?
とりあえず、チケットを購入(130DH=約1,600円)。
すると、係の人に「英語のツアーはもう出発してるから、早く行け!」と急かされました。
カートに乗って敷地内を移動し、モスクへ。靴を脱いで中に入り、なんとか滑り込みでツアーに参加。
とにかく広い! 天井高い! そして美しい!
このモスクはモロッコ最大級。1993年に完成した、わりと新しいモスクです。
モスクに入るのは、人生初。
モロッコでは基本的に、非イスラム教徒はモスクに入ることができません。でも、このハッサン2世モスクだけは、こうして観光客にも公開されています。
わざわざカサブランカを訪れることに決めたのは、モスクの中をどうしても見学してみたかったから。
天井や窓の装飾が素敵。
この建物、作るのにどれだけの費用がかかったんだろうね。
確か、これが”ミフラーブ”だってガイドさんが言っていたと思う。
ミフラーブとは、メッカの方向に面した壁に設けられる、アーチ型のくぼみのこと。イスラム教徒は、このミフラーブがある方向に向かって礼拝をするらしい。
メッカの方向を示すとても大事な設備だから、もっと派手な装飾が施されていたり、巨大なのかなと思ってたけど。意外にも、こじんまりとしている。
ガイドさんについていくと、円形の空間に出た。写真は、天井を見上げた図。
ここがちょうど、あの巨大な塔──ミナレットの真下らしい。このモスクのミナレットの高さは、200m。世界最高なんだって。
ちなみにミナレットの塔の上からは、礼拝を呼びかけるアザーンが流れます。
地下には、お祈りをする時に手や体を清めるための泉がある。
ツアーで見せてくれたのは地下の入り口だけだけど、奥にも泉がたくさんあった。
さて、内部の見学を終えて外に出ると……
空が暗い。
そしてあっという間に……
降ってきちゃいました。
結局、一眼レフで外観の写真撮れなかったな。残念。
大西洋も拝みたかったのに。
うーん、どうしたものか。
チケット売り場で30分ほど待ってみたけど、雨があがる様子はない。天気予報によれば、しばらくは雨が続く。
このまま観光を続けるのも無理だし、宿に戻るにしても外を歩くのも厳しい。
はああ、タクシー一択だよねぇ……。
ということで仕方なく、チケット売り場の警備員さんにタクシーを呼んでもらう。
やってきたタクシーに乗り込んでみると、案の定メーターはない。
クッソ、交渉するしかねぇか。
私「ここの宿までお願いします」
タクシーの運ちゃん「まだ朝だぞ。他に観光は行かないのか?」
さっそく来た。来ると思ったよ……。こんな雨の中、観光なんてするわけねぇだろ。
断るも、すごい勢いで売り込んでくる。運ちゃんのセールストークが止まらない。
もういいから、はよ宿まで連れて行ってくれ!
結局、通り道であるムハンマド5世広場の写真を車内から撮らせてもらって、その後宿まで向かうという話で決着。
お値段150DH(=約1,800円)。明らかにぼったくられているけど、めちゃくちゃ怖かったので言い値で支払うことにした。
運ちゃん「これは大聖堂だ。写真撮っとけ」
私「雨で全然見えん」
渋滞で、タクシーはなかなか進まない。車内では運ちゃんの怒涛のサッカートークが始まる。
実は今日は、カタールワールドカップ準決勝”モロッコVSフランス”の試合が行われる日。モロッコ国内は、ちょっとしたお祭り騒ぎなのです。
選手の名前とか教えてくれたけど、忘れちゃった。一刻も早くタクシーを降りたすぎて、話に集中できなかったわ。
ムハンマド5世広場周辺までやってきたところで、雨が少し弱まった。
これなら、なんとか自力で歩けそう。ということで、ここで降りたいと申し入れる。
文句言われたけど、なんとか途中下車することができた。
ハッサン2世モスクからムハンマド5世広場まで、結局100DH(=約1,300円)を支払った。クソ高いけど、まぁ大雨と渋滞の中で車出してくれた運ちゃんへのチップと思うことにするよ。
ムハンマド5世広場。
本当はもうちょっとブラブラ歩きたかったけど、いつまた雨が降ってくるかわからないし、なによりもこの街、治安がそれほど良くない気がする。(根拠はないけど)
ということで、私はすぐにトラムに乗って、逃げるように宿へ退散するのでした……。
宿へ戻ると、清掃員の姉ちゃんが私を見て一言。
姉ちゃん「そのスマホの持ち方、危ないからやめな」
私、スマホをスられたくないと思って、スマホストラップを使って首から下げていたのですが……
話によると、バイクに乗ったスリ犯が背後から紐を引っ張り、スマホを盗もうとするのだそう。首が締まるし危険とのことでした。
なんと恐ろしや。今日ずっと、首から下げて出歩いていたよ……(もちろん、スマホは服の下に隠していましたが)。
姉ちゃん曰く、カバンのように肩から下げた状態なら盗られないらしい。こりゃ、貴重品の持ち方も考えなきゃいかんな。
そして、夜にパッキングしていて、ふと気づく。
携帯の充電ケーブルがない……!
盗難とかじゃなくて、単純に私がどっかに置き忘れたのだと思います。
天気や治安が悪いことに加え、物を失くしたりと不運が重なり、早くも心が折れかけた一日。
もう嫌や、カサブランカ。
※ 為替レートは、当時のもの。1円単位は丸めています。
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